MR検査室

1.MRIとは

(1)名称
MRI(Magnetic Resonance Imaging) 磁気共鳴画像
NMR(Nuclear Magnetic Resonance) 核磁気共鳴
MRA(MR Angiography) 磁気共鳴血管(流)画像
MRS(MR Spectroscopy) 磁気共鳴スペクトロスコピー

(2)歴史
 1945年BlochとPurcellによりNMR現象が発見されました。最初はスペクトロスコピーとして化学分析用の道具として用いられ、1971年にはDamadianが腫瘍の良性、悪性の鑑別ができる可能性があることを示唆しました。 
 1973年にはLauterburにより傾斜磁場を用いて二次元画像を得るMRIの基礎が確立し、1970年代後半にDamadian,Hinshow,Mansfieldが人体の映像化に成功しました。MRIの本格的な応用は1977年頃にイギリスで行われ、現在まで20年余の変遷により現在に至ります。

(3)原理
・体内には無数の水素原子核(=プロトンproton)があり、個々のプロトンは小さな磁石と同じです。
・強い静磁場の中にプロトンをおくと、一斉に縦方向に整列します。
・一定の周波数の電波を照射すると、プロトンが横向きに倒れます。 (=共鳴現象)
・外部の電波を切ると、電波を出しながらプロトンが戻ってきます。 (=緩和現象) 
 緩和の速度は、組織により、また病変により異なります。
・この電波を分析すると、緩和の速度を知ることができ、これを、画像の白黒に反映させて診断します。


2.MRI装置

(1)磁場の強さによる分類
高磁場装置 1.0T、1.5T
中磁場装置 0.5T
低磁場装置 0.15T、0.2T、0.3T
*磁場の単位T=1テスラ=10000ガウス
*地磁気の強さ  0.4〜0.6ガウス
一般に、磁場が強いほど、より良い画像が、より短時間に撮像できますが、装置の購入価格も高くなります。(1〜4億円)また、磁気、電波を使用するため、外部から、および外部への影響を防ぐ為に、検査室内は、磁気・電波シールド材を使用しています。(数十トンの重さ)
(2)磁石の種類による分類
電磁石 超伝導磁石(高.中磁場) 液体ヘリウムが必要です。
常伝導磁石 常時大電流を流す必要があります。
永久磁石 温度による磁場変動が大きく常時温度を一定に保つ必要があります。

(3)慶應病院のMRI装置
現在、4台のMRI装置を保有しており、主にMRI、MRAの検査を、1日60〜72件おこなっています。
1号室 SIGNA 1.5T(高磁場装置) 超伝導
2号室 SIGNA 0.5T(中磁場装置) 超伝導
3号室 SIGNA 1.5T(高磁場装置) 超伝導
4号室 SIGNA 1.5T(高磁場装置) 超伝導


3.検査の実際

(1)全て予約制
(2)検査時間(だいたいの目安)
頭部単純検査 15分前後(MRA検査〜10分追加)
頭部造影検査 25分前後
胸部血管検査 40分前後
腹部造影検査 40分前後(単純〜15分)
脊椎単純検査 15分前後(造影+10分)
四肢関節検査 30分前後
(3)検査の流れ(外来患者さんの場合)
1、各診察室にて予約(検査日決定) 
2、検査予約センターにて手続き 
3、検査当日、検査予約センターにて再来登録の上、検査室へ 
4、検 査 
5、1〜2日後に読影レポート付でフイルムをカルテ室に送付 
6、各診察室にて検査結果の説明

4.検査前の注意事項

1)禁忌事 項の確認 ペースメーカー、脳動脈クリップ、妊娠(初期)等
2)禁食の  有無 CT検査などで用いるヨード系造影剤と異なり、MRI用ガドリニウム造影剤は副作用がほとんどないので、厳重に禁食処置をする必要はありません。腹部(肝.胆.膵)、および造影の可能性がある場合は、原則として禁食が望ましいです。
3)小児の  麻酔 検査時間がCT検査などと比較して長く、検査中に発生する高音の問題もあり、充分眠っていないと、検査不可能な場合があります。(MRIは体動に弱い。)
4)輸液ポンプ、酸素ボンベなど、患者さんに使用している精密器機、磁性体は検査室内には入れることができないため、事前に注意して下さい。
5)閉所恐  怖症 装置の形状上、このような患者の方には検査施行が多くの場合、不可能です。

5.MRIの長所、短所

(1)長所 
・無侵襲、無障害の検査である。(現在迄の報告では) 
・組織コントラストが強い。(X線CTに比較して著明に) 
・骨の影響がない。(CTの様なアーティファクトはない) 
・多方向からの撮影が可能。(Axial.Coronal.Sagittal.Obliq) 
・造影剤を使用せずに血管像を描出。(MRA) 
・撮影パラメーターを変えることにより、同位置における異種の情報が得られる。
(2)短所 
・撮影時間が長い。(一回平均4分前後×数回施行) 
・動きに弱い。 
・検査中の音が大きい。(60〜80ホーン) 
・ガントリー(装置内部)が狭い。 
・装置価格が高い。 
・外部ノイズなどが画像に影響を与える。(磁場の均一性)

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