リツキシマブ静脈内投与療法

実施診療科 皮膚科
承認年月日 2017年5月2日
適応症 難治性天疱瘡

主な内容

概要

現時点で天疱瘡の治療に用いることができる薬剤や治療法には、保険収載されているものは少なく、実臨床で用いられている免疫抑制剤に関しても保険収載されていない状況です。また、それらの治療を行ってもなお、状態が良くならない患者さんに対しての治療法としては、日本では現時点で対応策がなく、長期間に及ぶ高用量のステロイド内服を余儀なくされています。そのような患者さんに対して、海外では追加治療の第一選択薬としてリツキシマブが使用されており、その有効性と安全性が報告されています。
本邦では2016年から医師主導治験が行われておりリツキシマブの保険収載を目指していますが、より多くの患者さんにリツキシマブ治療を提供し安全性と有効性について検討を行い保険収載の際の参考テータとして提供することを目的としています。また本試験(患者申出療養)及び医師主導治験でのリツキシマブの用法・用量(1000mgを2週開けて2回投与する)は、日本では未承認の用法・用量であり、安全性情報の集積が必要であります。かつその安全情報収集が医薬品医療機器総合機構からも求められています。

本試験は、オープンラベルシングルアームとして実施されます。治療として、ステロイド治療抵抗性の天疱瘡患者に対して、ステロイドや他の併用療法を継続した状態でリツキシマブ 1,000 mg/bodyを2週間隔で2回(0週目、2週目)点滴静脈内投与を行います。その後、外来治療を継続(PSLおよび併用薬については症状に応じ、医師の判断で漸減可能)します。24週目もしくは中止時まで、有害事象及び有効性について観察します。

効果

疾患活動性の軽減とPSL量の減量が可能になることが期待されます。本研究の主要評価項目は安全性であり、現在実施中の医師主導治験が薬事承認申請を行う際の参考データとして使用できます。