慶應義塾大学病院診療案内2025
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循環器内科診療施設部門診療クラスター※初診時は、初診担当医のご予約をお取りください。※2025年8月時点の情報を掲載しておりますが、担当医が変更になる場合があります。21外来予約窓口TEL03-3353-1257【受付時間:月〜金 8:30〜19:00】※土曜日は17:00までの受付となります。冠動脈疾患 急性心筋梗塞は24時間365日対応しており、迅速な対応を目指しています。慢性完全閉塞性病変をはじめとする複雑病変も議論の上、積極的に加療しています。またカテーテル治療だけでなく冠動脈バイパス術の適応を適切に判断しております。先天性心疾患(心房中隔欠損症、動脈管開存、卵円孔開存) 心房中隔欠損症や動脈管開存症に対する経カテーテル的デバイス閉鎖術は、全身麻酔を必要としない、より低侵襲なカテーテル治療です。当院は成人施行施設単独としては全国で最も多い症例数と高い成功率を収めています。循環器内科、心臓外科、小児科などを包括したハートチーム体制(心臓血管低侵襲治療センター)を生かし、カテーテル治療不適当例も心臓外科でのMICS手術が可能です。2019年12月からは潜因性脳梗塞に対する経カテーテル的卵円孔閉鎖術を開始し、ブレインハートチームによる豊富な治療経験を有しております。頻脈性不整脈 当院では4人の不整脈専門医が不整脈治療を担当し、カテーテルアブレーションは年間300例程度、通算5,000例以上行っております。「患者にやさしく、クオリティーの高いアブレーション」をモットーに、安全な手技を行っており、心タンポナーデの発生率はこの3年で0.8%(全国平均1.3%)です。薬物治療と非薬物治療のどちらかを偏重することなく、患者さんに合わせて適切に適応を判断しているのが当院の特徴です。心房細動、心房粗動 有症候性や薬物療法不応性の心房細動や心房粗動はカテーテルアブレーションの良い適応です。心房細動のアブレーション治療では、心房細動の起源となる肺静脈を左心房から電気的に隔離します。入院期間は3泊4日です。発作性心房細動に対しては、従来の高周波カテーテルアブレーション以外にも、治療時間の短いクライオバルーンを用いたアブレーションも数多く実施しております。また持続性心房細動に対しては左心房後壁を含めて広範囲に隔離術を行っており、極めて高い洞調律維持率を達成しています。心室頻拍、心室細動 心室頻拍に対する治療法は、基礎心疾患や病状により、抗不整脈薬、カテーテルアブレーション、植込型除細動器(ICD)など適切に治療選択を行います。心筋症などに合併する心室頻拍に対しては心臓の内膜側からだけではなく、外膜側から心外膜アプローチも行っています。心室細動による心肺停止蘇生例に対しては植込み型除細動器(ICD)治療が中心となります。徐脈や抗頻拍ペーシングなどの機能が不要な患者さんにはS-ICD (皮下植込み型除細動器)の植え込みも行っております。徐脈性不整脈 症候性の房室ブロックや洞不全症候群はペースメーカーの適応です。ペースメーカーなど心臓植え込み型デバイスは、当院では不整脈専任医師が治療を担当、植込み後はデバイス外来にてフォローアップしています。外来においては遠隔モニタリングを導入し、綿密かつ臨機応変な対応が可能となっております。また2017年に保険償還されたリードレスペースメーカーは従来のペースメーカーと異なり、植込み部位のストレスがなく、リードの感染や断線がないため、心房細動の房室ブロック例など、適切な患者さんに植え込みを行っています。心不全に対する心臓再同期療法 左室駆出率35%以下かつQRS幅120msec以上の心不全に対する心臓再同期療法(CRT-P/D)を行っており、基礎心疾患に対する十分な内科的治療とともに、患者さん個人の状態に応じたデバイスの選択・設定など、きめ細やかな治療を行うよう努めています。リード、デバイスの抜去 近年デバイス留置件数の増加に伴い、植込み後のトラブルの件数も増加してきています。留置したデバイスの感染やリードの断線などに対して、2010年よりレーザーシースを用いた経静脈的リード抜去手術が保険適用されました。当院ではメカニカルシースやEvolutionなども用いて、適応を慎重に検討し、心臓外科医の協力の下、リード抜去を行っています。遺伝性心血管疾患(不整脈含む) QT延長症候群やマルファン症候群など、保険適応された遺伝性心血管疾患に関して、遺伝カウンセリングを行ったうえで、遺伝学的検査を行っています。2024年度から当院でも、新たに肥大型心筋症の遺伝学的検査を保険診療で行うことができるようになりました。検査の結果を踏まえ、正確な遺伝子変異情報とその臨床的な意義を提供しています。毎年、約50名ほどの解析、遺伝カウンセリングを行っています。肺高血圧症 心臓から全身へ血液を送る血管(動脈)の血圧が上昇するのが高血圧ですが、心臓から肺へ血液を送る血管(肺動脈)の高血圧、圧力の上昇が肺高血圧症です。慶應義塾大学病院は、全国トップクラスの肺高血圧症の診療拠点病院です。内服加療のみでなく、皮下注療法・静注療法など様々な治療法を適切に行い、遺伝子診断なども提供しています。慢性血栓塞栓性肺高血圧症 当院では、難病である慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)に対してカテーテル治療であるバルーン肺動脈形成術(BPA)、肺動脈内膜摘除術(PEA)、肺血管拡張薬などの全ての治療選択枝を実施することができます。特にBPAは、2019年3月の時点で計1,000件を無事終了し、死亡・人工心肺装着などの重篤な合併症は1例も発生しておりません。閉塞性肥大型心筋症 肥大型心筋症の中で左室流出路の心筋肥大により流出路が、特に収縮期に狭窄する病気です。労作時の息切れ、胸痛、失神、動悸などが症状です。薬物療法が基本ですが、薬剤抵抗性の場合、カテーテルによる経皮的中隔心筋焼灼術や開胸による中隔心筋切除術を検討する必要があります。循環器内科、心臓外科が連携し、ベストな治療法を選択します。心サルコイドーシス サルコイドーシスは、原因不明の全身性肉芽種性疾患であり、呼吸器、眼、皮膚、心臓等の多臓器に病変を生じます。特に心サルコイドーシスは難治性不整脈や心不全を引き起こして致死的になる可能性があるため、ステロイドを中心とした治療が必要になります。病理組織学的な肉芽種が確定診断ですが、検出率は低く、心臓MRI、FDG-PET等から臨床診断が必要になることも少なくありません。心アミロイドーシス 本疾患はこれまで治療手段のない不治の病とされてきましたが、トランスサイレチン安定化薬タファミジス(ビンダケル®)の進行抑制効果が明らかとなり、当院を含む限られた施設で処方が可能になりました。循環器内科を中心に各科専門医が協力し、99mTc-ピロリン酸シンチや腹壁脂肪織生検などの低侵襲の検査を取り入れ、最善の診療を実践しています。心ファブリー病 色々な臓器の細胞内に糖脂質の蓄積が進行するファブリー病は、長期的に深刻な臓器障害に至る可能性があり、20歳代からタンパク尿、30歳代から透析や脳梗塞、40歳代から心不全や不整脈を発症することがあります。ファブリー病は酵素補充療法という治療法が確立しており、早期の治療開始とその後の治療継続が非常に重要です。2018年から内服薬も市販され、治療の選択肢が増えました。休診日:日曜日 / 第1・3土曜日 / 国民の祝日・休日 / 年末年始(12月30日〜1月4日)※詳細は裏表紙をご確認ください。

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