PSAスクリーニングキャンペーンを開催しました

2016年10月11日

第4回「PSAスクリーニングキャンペーン」が10月1日(土)に開催されました

 近年日本では前立腺がんの患者数が急増しています。前立腺がんは血液検査による腫瘍マーカーPSAにより早期発見が可能で、多くの自治体が、がん検診にPSA検査を取り入れはじめていますが、受診者数はまだ非常に低く依然進行してから発見される例が後を絶ちません。
 こういった現状をふまえ、医学部泌尿器科学教室ならびに慶應義塾大学病院では2013年より前立腺がんの早期発見、適正治療をめざすために、「PSAスクリーニングキャンペーン」を開始しました。今年も病院休診日である10月1日(土)に医学部北里記念図書館2階北里講堂において、4回目となるキャンペーンを開催いたしました。
 本イベントはプレスリリース時から、数社のマスメディアから、イベント開催に関して紙上への掲載のお申し出や、当日の取材の申込みもあり、関心の高さを伺うことができました。
メディアへの掲載もあったことから、定員150名のところ、200名を越える申込みがあり、当日も雨天にも関わらず180名近い方にお集まりいただきました。
イベント冒頭の市民公開講座では、「前立腺がんはどんながんなのか?早期発見の大切さをお伝えします」と題して、医学部泌尿器科学教室の大家基嗣教授が約1時間にわたり、講演があり、前立腺がんの世界の現況から、PSAとは何か、また前立腺がんの診断から最新の治療に至るまで幅広く、わかりやすくお話いただけました。後半のPSA無料検診では、150名ほどの方が検診を受けられました。また、採血待ちの時間を利用し、泌尿器科専門医による無料相談ブースも設け、多くの方が健康上の悩みや、現在の治療に関する相談を行っていました。一時間半ほどで全てのかたの採血が終わり、無事イベント終了となりました。
 検査結果は後日個人に郵送され、精査が必要な方は慶應義塾大学病院での優先的な外来受診予約もできるようにしました。
 実施後のアンケートにおいても、「またこのようなイベントがあれば参加したい」「他の病気でもこのような公開講座をやってほしい」など、非常に好評な声を聞くことができました。イベント運営責任者の泌尿器科学教室小坂威雄講師からは「今後もこうした市民向けの活動を継続し、地域医療にも貢献していきたいと思います。」とコメントをいただきました。病院としてもこうした各診療科の活動に協力していきたいと思います。