HBOCセンター設立のお知らせ

2021年04月01日

2021年4月、慶應義塾大学病院に、複数の診療科で構成された診療クラスター「遺伝性乳癌卵巣癌症候群センター(HBOCセンター)」を設立しましたことをお知らせいたします。

遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)とは、BRCA1もしくはBRCA2という遺伝子に生まれつき変化があることで、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がんなどになりやすいため、定期的な検査(サーベイランス)や予防的な手術が考慮されます。さらに、これらの遺伝子の変化はご自身に留まらずご家族にも引き継がれる可能性があるためご家族のフォローも求められます。そのためHBOCに対しては、複数の診療科が連携し分野横断的に診療を行う必要があります。また、2020年4月にはこれまで自費診療だったHBOC診療の一部が保険適用となり、加えて昨今の卵巣がん、乳がん、前立腺がん、膵がんの治療の過程で新たな薬の適応を探るためにBRCA遺伝子の変化の検査が必要となるなど、診断機会の増加に伴いHBOCと診断される患者さんの数は今後増加することが予想されます。今回、当院で設立したHBOCセンターでは、産婦人科、一般・消化器外科、泌尿器科、腫瘍センター、臨床遺伝学センターの協力体制を強化し、これまで以上に密な連携のもと、専門医がHBOCの診療に当たります。今回のセンター設立により、当院のHBOC診療の質をさらに高め、患者さんにとって最適な医療を提供できるよう努めてまいります。

※遺伝性乳癌卵巣癌症候群センター(HBOCセンター)での診療をご希望の方は、臨床遺伝学センター 遺伝性腫瘍外来を受診してください。
※受診される場合、原則として他の医療機関からの紹介状が必要となります。受診や予約に際しては、以下のページをご確認ください。

初めて受診する方
https://www.hosp.keio.ac.jp/annai/raiin/syoshin/

診察のご予約の流れ
https://www.hosp.keio.ac.jp/annai/raiin/yoyaku_nagare.html