実施診療科 | 整形外科 |
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承認年月日 | 2024年12月1日 |
適応症 | 特発性大腿骨頭壊死症(非圧潰病期に限る。) |
主な内容
先進性
特発性大腿骨頭壊死症は、非圧潰状態の大腿骨頭が圧潰へと病期進行すると疼痛と関節症に伴う機能障害が不可逆性に生じ、日常生活動作が制限される。よって、大腿骨頭の圧潰抑制が治療において重要となるが、大腿骨頭の圧潰を抑制する治療方法は存在しない。本先進医療では、自家濃縮骨髄液を壊死した大腿骨頭に移植することで、移植細胞の血管・骨新生効果による壊死領域縮小(骨再生)と大腿骨頭圧潰抑制効果を持つことに先進性を有し、大腿骨頭圧潰抑制により関節症進行抑制が可能で、人工股関節全置換術などの代替治療を回避することが可能となる。
概要
本先進医療は、患者自身の腸骨骨髄液を用いた低侵襲な骨再生医療である。 手術室において患者自身の腸骨から数ミリの皮膚切開により骨髄液を採取し、細胞培養加工施設において専用キットを用いて遠心分離により幹細胞を含む必要な細胞層のみに濃縮する。濃縮された骨髄液は直ちに手術室に搬送され、数ミリの皮膚切開により大腿骨頭の壊死範囲に専用針を挿入し濃縮骨髄液の移植を行う。移植された濃縮骨髄液には血管・骨新生を持つ細胞群が含まれていることより移植部位で血管・骨新生が生じ、壊死領域の縮小(骨再生)が生じる。海外における過去の報告においては、本医療技術は70%~78%の圧潰抑制効果・82~88%の人工関節回避率が示され、本邦では2019年11月に日本整形外科学会・厚生労働省指定難病特発性大腿骨頭壊死症研究班により作成されたガイドラインにおいて、本医療技術療が[推奨度2/エビデンスの強さC]と他の標準的治療と同等の位置付けがなされた。
効果
非圧潰・特発性大腿骨頭壊死症の圧潰への病期進行を抑制する。