慶應義塾大学病院では、当院をご利用される皆さんがお互いの多様な性を尊重し、患者さんが安心して医療を受けることができる病院として発展するために、教職員が一丸となって取り組んでいます。

1. ダイバーシティ・ワーキンググループ

2021年度に性分化疾患センター長を中心に教職員の有志が集まり、臨床心理士をアドバイザーとして迎え、みんなで学び理解することから始めました。現在では当院の医療質向上推進委員会の下部ワーキンググループのもと公的な活動に発展し、さまざまな課題に取り組んでいます。

集合写真

2. 教職員の意識改革

教職員が性的マイノリティへの理解を深めるため、まず管理職が学ぶ機会を設けました。その後、①なぜ性の多様性を前提とした病院が求められているのか、②性の多様性の要素、③異性愛主義・男女二元論を院内で問いただす、というテーマで、病院教職員必須セミナーとして教職員全員が受講しました。その後も定期的に研修を行い、教職員が正しい知識を持ち、これからの病院の在り様を考えることができるよう取り組んでいます。

ダイバーシティ研修

3. 院内の環境整備

多様な性を尊重し、患者さんが安心して医療を受けることができるよう、以下の取り組みをしています。

  • 患者さん、ご家族、パートナー等の方にお申し出いただきやすいようにご案内窓口を設置しています。
    案内窓口
  • 問診票等を改訂し、性について何度も問わない仕組みを作りました。
    問診表
  • その他の帳票類やインフォームドコンセント等のガイドラインを変更し、パートナーの方が患者さんをサポートできる体制を整えました。
  • 診察券、入院患者さんのリストバンドから性別記載を削除しました。
    リストバンド
  • お手洗い、更衣室、病室など、入院環境、外来環境を整えました。

多様な性を視野に入れ、柔軟に対応できる病院となるまでには、まだまだ課題は多く、引き続き活動を継続していきます。また、病院のみならず、信濃町キャンパスを利用されるすべて皆さんに対象を広げた取り組みを展開していきます。皆さんからのお声を聞きながら、多様な性の尊重を推進してまいります。