知ってほしい慶應義塾大学病院
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患者さんの
安心感・
納得感のために「私たちは、患者さんとご家族の方が病態を理解し安心して診療を受けて頂けるよう、適切な説明を行います。」
近年、医療技術の高度化により診療の機械化・システム化が進む中、患者さんとご家族の方に対する説明責任を果たすことの重要性がますます高まっています。適切な説明を行うことは、患者さんが納得し安心して診療を受け、ご家族の方が無用な心配をすることなく日々を過ごすために必要不可欠です。
そのために、専門用語を理解しやすい言葉で説明する、治療に伴う副作用・リスクや過去の診療実績を示すなど、患者さんに納得して診療にあたって頂けるように、日々、努力しております。
患者さんに理解してもらうためには、どのような表現なら分かりやすいかを考え、患者さんに伝わっていることを確認しながら説明することを心掛けております。また、治療の必要がないと診断された場合、患者さんに本当に安心してもらえるような説明を行うことも必要です。また、臨床研究への参加をお願いする場合には、患者さんとご家族の方が納得した上で参加できるような説明に努めます。
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病気を知る
当院のWebサイトには、病気に関する情報として以下を設けています。
- 患者さんや一般のみなさんへ医療に関する情報をわかりやすく解説する「健康医療情報サイト(KOMPAS)」
- 600を超える病気や治療法が閲覧できます。
- 「キーワード」や「体の場所」など、さまざまな切り口で情報を得る事が可能です。
- 「慶應発サイエンス」「最新の医療紹介」など、新しい医療の取り組みもご紹介しています。
- 当院で診療する医師と病名を検索する事ができる「医師・病名検索」
- 約1万件の病名と、約600名の医師が登録されています。
- 患者さんや一般のみなさんへ医療に関する情報をわかりやすく解説する「健康医療情報サイト(KOMPAS)」
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情報の管理
「私たちは、日頃扱う情報の重要性を意識し、適切な取り扱いを徹底します。」
私たちが日頃扱う情報は、医学部学生・患者さん・被験者の方などの個人に関わるものや、教育・研究・医療など医学部・病院の重要な活動に関連するものなど実にさまざまで、量も非常に多く、私たちは適切な取り扱いを徹底しなければなりません。
情報の適切な取り扱いは、社会から信頼される上で当然守るべき、もっとも基本的なことです。例えば、患者さんはなぜプライバシーに深く関わる、他人に知られたり聞かれたりしたくないような大事な情報を提供してくれるのでしょうか。それは、私たちを信頼しているからにほかなりません。
私たちは、極めて重要な情報を扱っているという意識を高め、取り扱いに十分気をつけます。情報が記録された紙や電子媒体などの取り扱いには常に留意し、口頭の場合にも、周囲の状況などに気を配り、適切な取り扱いができるよう心掛けております。
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1日平均
3000人一日に慶應義塾大学病院に来院される外来患者さんの平均人数です。これは国内でも最大級の規模です。
予約日時の変更や時間の確認のお電話もたくさんいただいています。来院者からのお電話にはひとつ特徴があります。予約関係のお電話は、午後4時まで受け付けておりますが、午前中にかけてこられる方がたいへん多く、午後は比較的少ないといった傾向があります。
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大学病院の役割
患者さん一人ひとりの症状に合った適切な医療を提供するため、病院、診療所、クリニックといった各医療機関は、それぞれが持つ機能によってさまざまな役割を担っています。当院も国や自治体から「特定機能病院」「地域がん診療連携拠点病院」「臨床研修病院」といった役割の指定を受けています。
例えば、「特定機能病院」の役割としては、一般の医療機関では実施することが難しい高度な専門医療を必要とする患者さんや、病気が進行中の急性期の患者さんの治療に取り組みます。基本的には、地元の病院や診療所からそういった状態にある患者さんの紹介を受け診療をおこなっています。その後の治療の段階により、地元の医療機関に通院していただいた方が適切な場合は、紹介元の医療機関へ再び紹介する(逆紹介と称されます)こともおこなっています。なお、診療に加え、高度の医療に関する研修をおこない、高い技術を持った医療人を育成することも重要な役割となっています。
当院をはじめ各医療機関は、それぞれが持つ能力を連携して、患者さんの治療に取り組んでいます。
- 病院との連携について
- 特定機能病院の役割
- 法令による医療機関の指定
- 地域がん診療連携拠点病院
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患者さん中心の
チーム医療当院では、初代病院長の北里柴三郎博士の志「学内は融合して一家族の如く」を継承し、分野の垣根を越えた診療をおこなっています。また、病院の理念「患者さんに優しく患者さんに信頼される患者さん中心の医療を行います。」にあるように、医師、看護師、薬剤師、メディカルソーシャルワーカーをはじめとしたすべての医療スタッフが協力してチーム医療を行っています。
例えば、免疫難病の治療を行う免疫統括医療センターでは、複数の部門(リウマチ内科、消化器内科、血液内科、整形外科、皮膚科、眼科、看護師チーム、薬剤師チーム)が横断的に連携し、患者さんと医療チームの密接な連携体制で診療にあたることで、患者さん一人ひとりに最適な治療をおこなえるよう取り組んでいます。
また、医療人の育成においても、慶應義塾大学では、医療系三学部(医学部、看護医療学部、薬学部)で合同教育をおこない、学生のうちから交流を深め、将来、患者さん中心のグループアプローチによる医療が実践できる医療人に成長することをサポートしています。
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ペンマーク
慶應義塾のシンボル。このペンマークは「ペンは剣よりも強し」というメッセージがこめられており、今から100年以上前に当時の塾生(在学生)によって発案されたものだといわれています。現在では、特許庁に商標登録されており、慶應義塾および慶應義塾大学のサービスマークとして法的に保護されています。
- ペンマークの由来について
- 慶應義塾のシンボル、ペンマークのある風景
- ペンマークの利用を希望される方は、こちらをご覧ください。
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福澤諭吉と
北里柴三郎1917(大正6)年、慶應義塾において、破傷風の血清療法を確立し、世界的にも名声を得ていた細菌学者・北里柴三郎博士を学部長とする医学部が発足しました。また、1920(大正9年)、北里柴三郎博士を病院長として、慶應義塾大学病院は開院しました。福澤諭吉と北里柴三郎。近代日本における偉大な開拓者二人は、明治という時代にお互いの情熱を認めあい、心温まる親交を築いていました。北里柴三郎博士(初代医学部長・病院長)が伝染病研究所の設立に尽力した時(1892(明治25)年頃)に福澤は『贈医(医に贈る)』と命名した七言絶句の漢詩を贈っています。
その意味は、『もともと人間には有る程度の自然治癒する能力が備わっている。しかし、医師というものはこの消極的に患者さんが治癒するのを傍観し、自分は自然(治癒力)の下僕であるなどと言ってはならない。患者さんを治療するのは自然と人間の無限の戦いであり、離婁(りろう)のような鋭い洞察力、着眼力で病気を見つめ、麻姑の手のような熟達し神業のような技量でもって病気を追い詰め治療をしなければならない。医療の神髄とはこうした洞察力、着眼力と卓越した技量を追い求め、常に修練してゆくことであるのだ。』というものです。
現在においても、創立者 福澤諭吉の志を受け継ぎ、われわれ医師・スタッフ一同は、医療・医学の発展に取り組んでいます。
- 福澤諭吉と北里柴三郎の関係について
- 贈医について
- 福澤諭吉について
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双方向
コミュニケーション「私たちは、患者さんやご家族の方との信頼関係を深めるため、積極的なコミュニケーションを心掛けます。」
「患者さんとご家族の方を中心とした医療」を実現するためには、患者さんとの信頼関係を築くことが大切です。そのためには、双方向のコミュニケーションを通じて、患者さんが不安に感じていることや診療に期待していることなどを正確に把握し、相互理解を深めていくことが重要となります。
患者さんとの信頼関係を築いていくために、日頃から、挨拶や声かけを行う、悩みに耳を傾ける、情報を提供するなど、双方向でのコミュニケーションに努めております。全教職員が、会話の中から病気に対する疑問や不安、診療に寄せる期待を読み取るなど、高いコミュニケーション能力を身に着けるよう、日々、努力しております。
- 健康長寿
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臨床研究とは?
医療における予防方法、診断方法や治療方法の改善、疾病の原因や病態の解明など、人々の生活の向上のために実施される医学系研究を臨床研究といいます(ここでは、医薬品等の薬事承認取得を目的として実施される「治験」を含めます)。医薬品や医療機器など、病気の予防・診断・治療に関わるいろいろな医療手段について、その有効性や安全性を確かめたり、複数の治療方法の優劣を見極めたりすることを主目的として臨床研究は行われます。現在の診断や治療方法、高度な医療技術は、長い期間をかけて進歩・発展してきています。このような医療の進歩や発展のためには多くの研究が必要ですが、その中には、健康な方々や患者さんにご協力いただいて実施しなければならないものもあります。臨床研究は、患者さん方々のご理解とご協力によって成り立つものです。
臨床研究は、世界医師会が定めた「ヘルシンキ宣言」や厚生労働省などが定めた「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」「臨床研究法」「再生医療等安全性確保法」「GCP省令」など、研究内容に応じて適用される法令・倫理ガイドライン等を厳格に守って行われます。
臨床研究を適切に行うためには、研究の倫理性(ご協力いただく患者さんの安全を確保し、権利を保護すること)と科学性(研究データの客観性や公正性を保つこと)、および法令等の遵守が重要です。これは、どのような臨床研究を行う場合もおろそかにしてはなりません。
慶應義塾大学病院における全ての臨床研究は、研究の内容や方法が適切であることが、慶應義塾大学病院治験審査委員会・医師主導治験審査委員会、慶應義塾大学医学部倫理委員会、慶應義塾臨床研究審査委員会、慶應義塾特定認定再生医療等委員会によって厳正に確認され、あらかじめ承認された後、病院長に実施が許可されたものです。また研究開始後も、実施状況などが定期的に確認されます。
治験審査委員会や倫理委員会等は、審査する臨床研究と利害関係をもたない第三者を含む、多様な委員によって構成され、医学・医療の専門家だけでなく、法律や研究倫理の専門家など他の分野の有識者や、一般市民の立場を代表される方、また学内だけでなく学外の方、男性と女性の両方が委員として加わることにより、審議が特定の偏った立場ではなく、公平・中立の立場からなされるように配慮されています。
臨床研究への参加をお考えの方は、参加を決める前に、研究者から十分な説明を受け、ご質問があれば納得のいくまで聞いていただいた上で、参加するか否かを決めることができます。参加されない場合でも、何ら診療上の不利益を受けることはありません。
- 臨床研究推進センター
- 臨床研究監理センター
- 慶應義塾大学医学部倫理委員会
- 慶應義塾臨床研究審査委員会
- 慶應義塾特定認定再生医療等委員会
- 慶應義塾病院治験審査委員会・医師主導治験審査委員会
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病院で働く人々
慶應義塾大学病院には、さまざまなスタッフが従事しています。白衣・ユニフォームに袖を通し、気持ちを引き締め、ご来院の皆さまのために、高い専門性、よりよいサービスを提供します。
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早期治療
従来のがん治療では、がん患者さんの診療において、どの診療科を受診すべきかわかりづらい、いろいろな診療科をまわらなければならない、検査や治療方針の決定に時間がかかる等の問題点がありました。これらの問題点を解決するため、がんの迅速かつ正確な診断、最適な治療計画の策定、診療科の枠を超えた包括的ながん医療を提供することを目的として、腫瘍センター「がん専門初診外来」を開設しました。ここでは、患者さんが専門医の外来をまわるのではなく、患者さんを中心としてがんの専門家が集まり治療にあたります。
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心・技・知
慶應義塾大学病院は、1917年医学科創設以来、日本の医学界をリードする「慶應医学」の担い手として、多くの優秀な医学者を輩出するとともに、日本各地に展開する関連病院の核として、地域医療の発展にも貢献しています。医療機関へのニーズが高まり、多様化するなか、「心」( Humanity:患者さんの思いを理解し、信頼される、豊かな人間性)、「技」( Art:質の高い安全な医療を実践する臨床技能)、「知」( Physician Scientist:科学的思考能力と深い知性)、の3点を尊重し、バランスよく兼ね備えた医師の育成を実践しています。
医学部を卒業し医師免許を取得した医師は、医師法にもとづき、臨床研修期間として2年間以上、指導医のもとで診療をおこないます。慶應義塾大学病院では、約1000の臨床研修実施施設のひとつとして、全国の医学部を卒業した研修医を毎年50人程度受け入れています。その他にも、各教育機関から、看護師、薬剤師、臨床検査技師、診療放射線技師等の医療技術者の研修も受け入れています。当院は、明日の医療を支えるプロフェッショナルを育成するために重要な責務を担っています。
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基礎医学・ 臨床医学
一体患者さんに寄り添い、診断や治療などに直接関連する応用的な医学のことを「臨床医学」といいます。一方で、人体の構造や機能、病気やその原因などを探求する医学を「基礎医学」といいます。初代医学部長・病院長北里柴三郎博士は、「基礎医学」と「臨床医学」の融合を非常に重視していました。事実、1920(大正9)年11月6日の慶應義塾大学医学部開校並びに大学病院開院式において、このような言葉を残しています。
「我等の新しき医科大学は多年医界の宿弊たる各科の分立を防ぎ基礎医学と臨床医学の聯繋(れんけい)を緊密にし学内は融合して一家族の如く全員挙って斯学の研鑽に努力するを以て特色としたい」
基礎医学と臨床医学の英知を結集させてこそ、真に医学・医療の発展につながる。現在では広く認知されるようになったこの考えを、当院では、創設者の精神として、設立から脈々と受け継いでいます。 -
気品ある
振る舞い「私たちは、気品のある振る舞いができるよう心がけ、社会人、医療従事者としてのマナーを徹底します。」
私たちは、慶應義塾の建学の精神にあるように「気品の泉源・智徳の模範」たる組織を目指しています。気品のある振る舞いがどのような組織においても重要であることは当然ですが、私たちは慶應義塾の一員として特に重視し、社会からの期待に応え信頼を得てきました。
私たちが日々関わる方々は、立場や置かれている状況がさまざまに異なっています。また、考え方や感じ方も人それぞれです。そのような環境では、ルールやマナーをただ表面的に守るのではなく、相手や周りへの気配りを心がけ、状況に応じて適切に振る舞うことが大切ではないでしょうか。
身だしなみや言葉遣いなどについてのルールやマナーを知っていても、なぜその決まりがあるのかを正しく理解し、相手と向き合い、思いやりの気持ちを持って接していなければ、本当の意味での品格を備えた振る舞いにはつながりません。誠実で真に品位のある振る舞いを心がけてまいります。
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早期発見
様々な疾病をより早期の段階で診断することで、患者さんにとって優しい治療「低侵襲治療」につなげるとともに、疾病予備軍の方に予防的な対応を行う医療を実践するため、「人間ドック(予防医療センター)」を2012年夏に開設しました。
当院の人間ドックでは、三大生活習慣病(がん、心臓疾患、脳血管疾患)の早期発見、診断をはじめ、アンチエイジングドックやレディースドック、運動器ドック、脳ドックなど、専門ドックも行い、精度の高い健診プログラムを展開しています。受診後は、経過観察や各種指導を含めて受診者のニーズにきめ細かに対応することを特徴としています。