臨床研究中核病院
「臨床研究中核病院」は、2015年に医療法で定められ、日本発の革新的な医薬品・医療機器・医療技術の開発に必要な質の高い臨床研究や治験を推進するため、国際水準の臨床研究や医師主導治験の中心的役割を担う病院として、厚生労働大臣が承認するものです。承認されるためには、臨床研究計画の立案と実施の実績、臨床研究支援体制、データ管理体制、安全管理体制、倫理審査体制、利益相反管理体制、知的財産管理・技術移転体制、国民への普及・啓発および研究対象者への相談体制など、さまざまな体制の整備が求められます。2025年3月現在、全国で15病院が臨床研究中核病院として指定を受けており、慶應義塾大学病院は2016年3月25日に私立大学病院としてはじめて承認を受けました。当院は、基礎医学と臨床医学部門が密に連携しながら、日本発の革新的医薬品・医療機器の開発に向けて質の高い臨床研究を推進しています。

特定機能病院
1992年7月施行の医療法改正により、高度医療を提供する大学病院が「特定機能病院」に指定されています。慶應義塾大学病院も、1994年2月から特定機能病院として運営されています。この医療法改正では、各々の医療機関の持つ機能や特徴に応じた体系化を進め、大病院へ集中する患者の分散化を図り、限られた医療資源を有効に活用することが目的とされています。その中で「特定機能病院」は、高度の医療を提供するとともに、高度な医療に関する研究・開発・評価・研修などを行う機能を有する医療機関として定められています。当院は特定機能病院として高度で安全な医療を提供するとともに、豊かな人間性と深い知性を有する医・看・薬の医療人の育成を行っています。

がんゲノム医療中核拠点病院、
地域がん診療連携拠点病院
慶應義塾大学病院は、がんゲノム医療を牽引する高度な機能を有する医療機関として、2018年2月16日に「がんゲノム医療中核拠点病院」に指定されました。また、厚生労働省は、全国どこでも質の高いがん医療を提供できるよう全国にがん診療連携拠点病院等を指定しており、当院は2011年4月より「地域がん診療連携拠点病院」として地域がん医療の中核を担っています。
当院では、がん患者さんが適切な医療を受けられる体制を充実させ、遺伝子パネル検査に基づくがんゲノム医療などの専門的ながん医療の提供、がん診療の地域連携協力体制の構築、がん患者さんやご家族等に対する相談支援・情報提供等を行っています。

東京都災害拠点病院
「災害拠点病院」である慶應義塾大学病院では、災害などの緊急事態における事業継続計画(Business Continuity Planning:BCP)を定めて、緊急時に迅速に対応し患者さんへの医療の提供が継続できるよう準備しています。
また、当院は災害時に迅速に活動が開始できる機動性を持つ災害派遣医療チーム(Disaster Medical Assistance Team:DMAT)を複数有しています。DMATは医師、看護師、ロジ(医師・看護師以外の医療職や事務職員)で構成され、大規模災害や多傷病者事故などの現場で急性期から活動できるよう専門的な訓練を受けており、役割を分担して災害地域での医療活動に当たります。令和6年1月1日に発生した能登半島地震では、1月11日に5名のDMAT隊員が能登半島へ出動し、慶應DMAT隊の隊長がDMAT活動拠点本部の副本部長の任に就き、関東地方から派遣されたDMAT隊最大11隊を指揮しながら、市内福祉施設および入居者の支援を行いました。
当院は、自然災害を含む大規模な災害・催事対応において必要な医療体制を構築・支援し、傷病者の生命を守ります。

(病院紹介)