点眼薬
点眼液・眼軟膏は通例、抗生物質、抗アレルギー薬、抗炎症薬、ビタミン類などを含有し、結膜嚢*に適用する無菌の外用剤です。
-
- *結膜嚢とは、
- 結膜は、眼球と眼瞼を結びつける粘膜であって、前部強膜および眼瞼の内面を覆っています。結膜全体を嚢状体とみなして結膜嚢といい、点眼液の貯留場所となり、眼の生理上重要な役割を果たしています。
点眼液の使い方
- 1
手をきれいに洗って下さい。
- 2
頭を後方に傾け、天井を見つめるようにします。
下まぶたを引いて1滴指して下さい。この時容器の先がまぶたやまつげに触れないように注意して下さい。- 1回の点眼量について:
- 通常の点眼瓶からの1滴の容量は、普通では約40~50μL(0.04~0.05mL)ですが、そのうち結膜嚢に入るのは約20μL(0.02ml)です。
よって1回の点眼量は1滴で十分です。
- 3
点眼後は静かにまぶたを閉じて、まばたきをしないで約1分間目をつぶっていてください。
点眼後に軽く目頭を押さえるのも効果的です。
結膜嚢に入りきらない点眼液は目からあふれ、鼻涙管を介して全身へ行き、副作用の原因となります。そのため、まばたきをせず、静かに約1分間目を閉じたり目頭を押さえたりして下さい。1日の点眼回数は医師の指示にしたがって下さい。
- 4
あふれた点眼液は清潔なガーゼやティッシュで抜き取って下さい。
目から流れ出た点眼液は、眼瞼炎などの原因になるので抜き取って下さい。
眼軟膏の使い方
- 1
手を石鹸でよく洗い、チューブのふたを清潔なガーゼかティッシュで抜いて下さい。
- 2
鏡を見ながら、下まぶたを軽く引き、チューブの先がまぶたやまつげ、眼球に触れないように注意しながら、チューブを少し押して下まぶたに薬をつけて下さい。
- 3
まぶたを閉じ、軽くマッサージしてください。強く押さえないように注意して下さい。
- 4
チューブの先を清潔なガーゼかティッシュでふき、ふたをして下さい。
保管の注意
- 冷暗所保存(冷凍室に入れない)などの指示がある場合は、それに従って下さい。特に保存の注意がなくても、直射日光を避け、なるべく涼しい所にしっかりふたをして保存して下さい。
ただし、冷蔵庫にあるものを直ちに点眼すると刺激があるので、しばらく放置してから使用して下さい。 - 幼児が誤って飲むと危険なことも多いので、幼児の手の届かないところに保管して下さい。
- 水虫薬や白髪染め液など他の液を点眼液と間違えて点眼しないで下さい。
- 他の人の使っている目薬を使うことは避けて下さい。
- 開封後の使用期間はお薬によって違います。開封後1ヶ月を経過したものは使用しないで下さい。
薬に関する質問
- Q2種類以上の目薬が処方されたら?
- A
- 少なくとも3~5分間以上の間隔をあけて投与して下さい。
一度に2種類あるいはそれ以上の点眼液を併用する場合、A点眼液に引き続きB点眼液を点眼すると、先に点眼したAを後のBが追い出すことになり、さらにBも先のAに邪魔されて充分な濃度、量が投与されなくなり、2種類の点眼液投与の意味がなくなります。
点眼液の吸収は極めて良好で通常2~3分で角膜から吸収されます。 - 眼軟膏が処方されているときは、効果の発現が液体の目薬より緩やかで効き目が長いので、最後に塗布するようにして下さい。
- 少なくとも3~5分間以上の間隔をあけて投与して下さい。
- Qコンタクトレンズを装着したまま、目薬をさしても良いですか?
- A
- ささないで下さい。
- 一般にソフトコンタクトレンズや酸素透過性ハードコンタクトレンズは多孔性であるため、薬剤や保存剤を吸収して一種の貯蔵庫となり、角膜に薬剤が長時間接触し、目に刺激を与えたり、レンズの性状に影響を与えることがあります。
- Q目薬を溶かしてから使用するものをもらいました。病院で溶かしてもらえませんか?
- A
- 前もって溶かしておきますと徐々に効き目が落ちてくるため、患者さんご自身に溶かしてのご使用をお願いしてます。
- Qなぜ点眼後目頭を押さえるといいのですか?
- A
- 目頭を押さえることによって、鼻腔から消化管へ入って経口投与と同じように吸収され、ステロイド剤やβ刺激剤などによる全身性の副作用を起こすことを防ぐことが出来ます。