概要

「なんとなく気分が晴れない」「夜、眠りが浅い」「やる気が出ない」──。
忙しい日々のなかで、心が少しずつ疲れてしまうことは、誰にでも起こりうる自然なことです。

当院の精神・神経科では、生活の中で感じるストレスや不眠、気分の落ち込みなど、様々なこころの不調に対応しています。「大学病院」と聞くと少し構えてしまうかもしれませんが、私たちは“気軽に相談できる専門外来”を目指しています。
こころのサインに早めに気づき、無理をせず、これからの生活が少しでも楽になるようお手伝いができれば幸いです。

精神・神経科 外来・入院のご案内

精神・神経科のご案内イラスト

特色・方針・目標

外来診療体制

当科では、不眠症、適応障害、うつ病などの気分障害、不安症、強迫症、統合失調症、認知症など、幅広いこころの不調に対応しています。


初診について: 午前中に1日8名の初診枠を設けています。原則予約制ですが、空きがある場合は当日の受診も可能です。

診療の特色: 初診では精神科専門医による丁寧な問診のもと、医師・心理士・看護師が連携して、患者さん一人ひとりに合わせた治療をご提案します。血液検査や画像検査のほか、各種心理検査も実施可能です。認知行動療法や森田療法、女性のメンタルヘルス、発達障害など疾患や症状に応じた診療も行っています。


👉 精神・神経科 予診票(PDFをダウンロード)
※初診の際は、あらかじめ印刷・ご記入のうえお持ちいただくと受診がスムーズです(当日に受付でご記入いただくことも可能です)。


※初診のお申し込みや外来診療に関するご相談・お問い合わせにつきましては、慶應義塾大学病院 お問い合わせページより病院へ直接ご連絡ください。

rTMS療法(反復経頭蓋磁気刺激療法)

rTMS療法とは、専用の医療機器を用いて、脳に繰り返し磁気刺激を与えることで、特定の脳の活動を変化させ、うつ病の症状を緩和する治療です。本治療は、適切な薬物療法を行っても十分な改善が得られない成人のうつ病に対し、国内外で検討される治療選択肢の一つです。当科では、通常の保険診療としてうつ病の方にrTMS療法を行っています。治療を希望される方には、診察の中でrTMS療法の概要や期待される効果だけでなく、安全性(副作用)についてもご説明し、治療が適しているかどうかを検討します。

【よくあるご質問】

Q:rTMS療法は保険診療ですか?

A:はい。当科では保険診療として実施しており、自費診療は行っておりません。
そのため、保険診療の対象となる「適切な薬物療法を十分に行ったにもかかわらず、期待された効果が得られない中等症以上のうつ病」の患者さんが主な対象となります。その他にも詳細な適応基準がありますので、詳細は担当医にご相談ください。


※詳細については慶應義塾大学病院 KOMPAS(rTMS療法について)をご覧ください。

ショートケア

ショートケアは、外来で行う精神科リハビリテーション治療の一つです。プログラムを通じて病状の回復を促し、生活の安定や再発予防を図ることを目的としており、健康保険が適用されます。集団認知行動療法プログラムやマインドフルネスなどを通して、再発予防・ストレス対処法の習得を支援します。原則として当科通院中の患者さんを対象としています。

【よくあるご質問】

Q:認知行動療法は保険診療ですか、自由診療ですか。

A:当科の認知行動療法は保険診療のみの実施となり、自由診療は行っておりません。
実際の適応は、診察の上で医師が総合的に判断いたします。症状や治療計画によっては、ご希望に添えず実施できない場合や個別の認知行動療法ではなく、集団認知行動療法のご案内となる可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

※詳細については認知行動療法 (CBT) 紹介映像(YouTube)をご覧ください。


入院診療のご案内

※入院の手続きやご相談・お問い合わせにつきましては、慶應義塾大学病院 お問い合わせページより病院へ直接ご連絡ください。

入院診療体制

当科の病棟は16床(個室8部屋、4床室2部屋)の落ち着いた雰囲気の開放病棟です。概ね1か月の入院期間の中で、医師・看護師・ソーシャルワーカーなど、さまざまな専門職が協力し、症状の安定と回復をサポートします。
うつ病、不安症への詳しい評価や治療、認知症など脳神経系疾患で精神症状を伴う方への検査を積極的に行っています。また、クロザピン、精神科電気けいれん療法(mECT)、反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)などの専門的な治療にも対応しています。身体のご病気をお持ちの方も他診療科の医師と連携して治療にあたります。治療に専念できる落ち着いた環境で、一人ひとりに合わせた医療を提供しています。

入院診療の様子

うつ病アセスメント入院: 当科では、7泊8日の短期集中型入院プログラム「うつ病アセスメント入院」を実施しています。うつ症状の原因の診たてや、治療の参考になるようなパーソナリティ特性、発達特性、環境要因などの評価を行い、治療の見直しにも役立てられるようなプログラムを目指しております。

精神科電気けいれん療法(mECT): 精神科治療法の一つであり、様々な精神症状の改善を図るために用いられています。うつ状態や興奮状態などに対して、早急に症状を改善させる必要がある場合などに、有効性が報告されています。当科では高度な設備を備え、手術室で麻酔科専門医のサポートのもと、経験豊富な精神科医師が安全に配慮して実施します。

認知症の初期評価入院: 物忘れなどの症状に対して、最大1か月の検査入院で精査、可能な治療のご提案、必要な社会資源の調整を行います。MRI・SPECTなどの脳画像検査、神経心理検査などを組み合わせ、適切な治療と生活支援につなげます。

次のような症状を扱っております

・気分が沈み、悲観的に考える ・無気力で、何をしても面白くない
・集中力がない・物忘れが目立つ ・不眠 ・拒食,過食
・イライラして怒りっぽい ・漠然とした不安がいつも続いている
・不安で外出が怖く、乗り物に乗れない ・不安のあまりパニックになる
・戸締まりや火の始末を何度も確認せずにいられない ・汚れやウィルス・細菌などがひどく気になる
・物音や周囲の出来事にひどく過敏になる ・体は不調だが、病院の検査では異常がない
・学校や職場にうまく馴染めない・学校や職場、家庭などで強いストレスを感じている

検査内容のご案内

  • 一般血液検査・脳波・CT・MRI

  • 心理検査・神経心理検査

主な実績

精神・神経科の外来初診件数は、年間約730件(2025年度)、再診件数は、年間約38000件(2025年度)です。初診時の診断としては、うつ病などの気分症圏が最も多く、続いて不安障害やストレス関連障害といった神経障害圏が占めています。入院件数は年間150件程度です。また当院では、難治性のうつ病などに対して実施される修正型電気けいれん療法にも力を入れています。

名称 件数 備考
初診患者数(診断別) 2025年
神経発達症群 118
統合失調症または他の一次性精神症群 62
気分症群(うつ病など) 250
不安または恐怖関連症群,ストレス関連症群 237
食行動症または摂食症群 30
物質使用症群または嗜癖行動症群 5
パーソナリティ症群など 6
神経認知障害群(認知症など) 20
その他 2
730

ご挨拶

現代は「脳とこころの時代」と言われています。精神神経疾患はからだの病気とともに5疾病に挙げられ、その治療と対応はますます重要性を増してきています。当科は初代の下田光造教授以来、日本で屈指の長い歴史を誇り、精神症候学の伝統を重んじる教室です。その一方で、MRI・PET・SPECT等の画像検査をはじめ、さまざまな先進的な高度精神医療を推進してきています。思春期から超高齢者までのあらゆるライフサイクルの脳とこころの問題に対応しています。

すべての身体科とのリエゾン・コンサルテーションはもとより、関連するストレス研究センター、メモリークリニック、緩和ケアセンターなどの院内諸部門、さらには日本最大の同窓会所属診療機関などと連携して、患者さんとご家族にとってより良い治療を目指しています。

研究内容

当教室で行われている研究内容や被験者のご協力に関する詳細につきましては、研究のお知らせ(精神・神経科学教室)をご覧ください。


※外来や入院の手続きやご相談・お問い合わせにつきましては、慶應義塾大学病院 お問い合わせページより病院へ直接ご連絡ください。

教育内容

当科では大学内の臨床研修、そして引き続いて関連病院(精神科単科病院および総合病院)での研修を行っております。
外来・病棟・リエゾン・コンサルテーションなど臨床面のみならず、幅広い専門の者による講義や症例検討会(月1回)、抄読会(月2回)、勉強会(毎週)を行っております。

関連病院も関東近辺に多々あり、出張や研究テーマ等、可能な限り個人の希望に沿える様にアレンジしております。

また、大学院での博士課程取得も積極的に応援しています。どんなニーズにもこたえられる多岐にわたる研究室が当教室の強みです。
さらに、当教室は海外に幅広いネットワークがあり、留学も強力に応援しています

当教室の精神科領域専門医研修プログラムなどの教育内容に興味をお持ちの方は、慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室 をご覧ください。

連絡先

より詳しい情報は当部門の専用webサイトをご覧ください。

受診について

  • 当院では患者さんの待ち時間を短縮するため、予約制を導入しています。
  • ご予約方法は一般の患者さんと医療関係の方で異なります