輸血・細胞療法センター

概要

輸血・細胞療法センターは、輸血と細胞療法の業務を担う中央診療部門です。輸血部門としては、輸血に関連する血液型や交差適合試験などの検査、輸血用血液製剤の管理、手術前の自己血採取・管理保管などを行っています。細胞療法部門としては、血液内科・小児科と密に連携し、日本骨髄バンク採取・移植施設認定のもと、造血幹細胞採取・処理、検査、保存等の体制を完備して、安全・確実な造血幹細胞移植を支援しています。また、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法のための細胞採取も行っています。新しい細胞製剤の開発を目的とする臨床研究も数多く支援しています。

特色・方針・目標

当院は救急、心臓血管外科、産科、造血幹細胞移植や、肝臓移植、血漿交換など、しばしば緊急かつ大量の輸血製剤が必要とされる都内の大規模病院です。医療現場で発生するあらゆるニーズに応えられるように、専任の学会輸血認定医2名と臨床検査技術室所属の専任輸血検査技師16名が24時間365日勤務体制で対応しています。なお、日本輸血・細胞治療学会の認定輸血検査技師4名、細胞治療認定管理師9名を擁しています。
輸血・細胞療法センターは、質の高いサービスを患者さんと診療各科に提供する為に、臨床検査科と連携してISO15189の要求事項に基づいた品質マネジメントシステムを構築し、運用しています。

1. 迅速で質の高い輸血検査を行い、輸血関連の正確な情報を患者と医療従事者に提供し、大学病院としての高度な医療に貢献します。
2. 献血ドナーの無償の善意である血液製剤を無駄なく適正に安全に迅速に提供するため、手順書や指針を遵守し、徹底したリスクマネジメントを行っています。
3. あらゆる細胞製剤の一元的な品質管理システムを整え、造血・免疫細胞治療を研究段階から積極的に支援します。

対象疾患は次のようになっております

検査内容のご案内

特殊診療施設のご案内

  • 自己血・成分採取室:自己血貯血およびアフェレーシスによる細胞採取を実施します。
  •  ① 貯血式自己血・瀉血:予定手術を受ける患者さんから、術前に自己血液を採取・保存して、術中・術後の輸血に使用します。事前に当センターにて面談し、必要な血液量を貯血するためのスケジュールを決めてから実施します。専用のベッドで専属のスタッフが採血を行います。また、多血症の方の瀉血も担当しています。
  •  ② アフェレーシスによる細胞採取 :末梢血幹細胞やリンパ球などの血液細胞を、遠心型血液成分分離装置を用いて採取します。長時間の処置になるため、DVDなどをご覧いただき、リラックスできる環境で実施します。
  • 無菌操作室・細胞保管室:アフェレーシスにより採取された細胞は、センター内の無菌操作室で処理し、プログラムフリーザーを用いて凍結保存されます。細胞は細胞保管室内の液体窒素タンクで保管されます。
  • 慶應義塾大学病院細胞培養加工施設(KHCPC):再生医療等の安全性の確保等に関する法律(再生医療等安全性確保法)のもとで、再生医療の臨床研究あるいは自由診療に用いる特定細胞加工物を製造する施設です。当センターは、臨床研究推進センターと連携してKHCPCを管理しています。

主な実績

【2021年度】

名称 件数 備考
輸血申込件数 25,390件 輸血使用量
 赤血球製剤 14,945単位
 新鮮凍結血漿 7,027単位
 血小板製剤 29,005単位
 自己血製剤 1,653単位
 アルブミン製剤 32,216単位
貯血式自己血採血 412件
末梢血造血幹細胞採取 29件
自家末梢血幹細胞移植 25件
同種末梢血幹細胞移植 4件
骨髄移植 9件
臍帯血移植 24件
ドナーリンパ球採取 0件
チサゲンレクルユーセル採取・凍結 23件
チサゲンレクルユーセル投与 22件
テムセルHS保管管理・溶解 44件
その他の再生医療等製品保管管理・投与 6件
治験・臨床研究関連細胞採取 14件

ご挨拶

輸血は、出産、救急、手術、抗がん剤治療、移植医療など、現代の医療においては欠かせない治療手段となっています。そこで用いる血液製剤は、国民ひとりひとりの善意の献血から製造される貴重な限りある資源です。過去には肝炎ウイルスやHIV感染などわが国には悲劇の歴史がありました。今では全血液製剤は日本赤十字社や献血事業団による厳格な検査・管理により極めて安全なものになっています。私たちの部門では、看護部や手術・血管造影センター等と連携し、これらの多彩な輸血療法を厳格かつ円滑に管理しています。
 一方、血液中には、赤血球や血小板、血漿だけでなく、様々な機能を持つ白血球成分(リンパ球、顆粒球、単球、樹状細胞、間葉系幹細胞など)があります。近年、間葉系幹細胞(MSC)由来の再生医療等製品が発売され、同種造血幹細胞移植後の難治性重症GVHDや、眼角膜疾患、脊髄損傷、複雑痔瘻などに使用できるようになりました。また、難治性の白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫の治療にキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)製品が発売され、目覚ましい有効性が期待できるようになりました。更に、当院では、脂肪由来幹細胞や人工多能性幹細胞(iPS)由来の神経、網膜・角膜、心筋、血液細胞等の臨床試験が開始されました。私たちの部門では、医用工学室や臨床研究推進センターと連携して、臨床試験段階のものも含めて再生医療等を一元的に管理しています。
また、COVID-19禍においては、まだ有効な治療法がない時点で、中和抗体を多く含む回復者血漿のバンクを立上げました。
 私たちは、輸血と細胞療法を両輪として、患者の皆さんに最新かつ最高の医療を提供できるよう、当院の全診療部門を支援していきます。

医師紹介

氏名 写真 職位 専門領域 認定資格等
田野崎 隆二 田野崎 隆二 教授・センター長 輸血学、
内科学(血液学)
造血幹細胞移植、細胞治療
日本輸血・細胞療法学会認定医
日本造血細胞移植学会認定医
山﨑 理絵 山﨑 理絵 専任講師 輸血学、血液内科学 日本内科学会認定医 
日本血液学会専門医・指導医・評議員 
日本造血細胞学会認定医・評議員
日本輸血・細胞治療学会認定医
細胞治療認定管理師
津野 寛和 津野 寛和 客員准教授 輸血学 日本赤十字社関東甲信越ブロック血液センター副所長、
日本輸血・細胞治療学会認定医、
日本自己血輸血学会、
国際輸血学会( ISBT)国際血小板ワーキング・パーティー及びアジア地域ワーキング・パーティーChairman, Global Blood Safety ワーキング・パーティーメンバー
大河内 直子 大河内 直子 客員講師
輸血学、血液内科学 日本赤十字社関東甲信越ブロック血液センター検査部検査開発課長、
日本輸血・細胞治療学会認定医、
細胞治療認定管理師、
日本血液学会専門医・指導医、
日本内科学会総合内科専門医

外来診療表担当表

連絡先

より詳しい情報は当部門の専用webサイトをご覧ください。

  • 電話03-3353-1211

当部門のwebサイト