概要

各アレルギー疾患に対して蓄積された経験と専門知識を駆使・連携して診療にあたります

花粉症や食物アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などの疾患に代表されるアレルギー疾患は罹病率も高く、また同一患者さんに複数のアレルギー疾患が合併する頻度も高いことが特徴です。

アレルギーセンターは皮膚科、小児科、眼科、耳鼻咽喉科、消化器内科、呼吸器内科のアレルギーを専門とする医師たちで構成され、「様々なアレルギー疾患を疑われているが、どの科にかかればよいかわからない患者さん」の窓口となることで診療科の垣根を越えた包括的かつ専門性の高い総合アレルギー診療を提供しています。

特色・方針・目標

まずはその患者さんにとって「最も生活の質に関与し、活動性の高いアレルギー疾患」の専門領域の医師が中心外来主治医となります。さらに合併する他のアレルギー疾患の評価・治療の際にはアレルギーセンターを通して他科の医師と連携をとることにより、臓器横断的な臨床を実践しています。

例えば、以下のような方の診療を行なっております。

① 複数のアレルギー疾患が合併している場合
 例) アトピー性皮膚炎、花粉症、気管支喘息を合併している方。

② アレルギー疾患が重症・難治性である場合
 例) 難治性のアトピー性皮膚炎で外用ステロイドの効果が乏しい方。
    重症喘息で吸入薬の効果が乏しく、ステロイドの内服薬がしばしば必要となる方。

③ 確定診断がついていないがアレルギーの関与が疑われる場合
 例) 特定の食べ物を口にすると舌やのどに違和感がある方。
     食物のつかえや胸の痛みがあるが原因がわからない方。

対象疾患は次のようになっております

  • 気管支喘息

  • 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症

  • アレルギー性気管支肺真菌症

  • 好酸球性肺炎

  • 鼻茸

  • NSAIDs不耐症

  • アレルギー性鼻炎

  • 口腔アレルギー症候群

  • 食物アレルギー

  • アトピー性皮膚炎

  • 新生児乳児消化管アレルギー

  • 難治性慢性蕁麻疹

  • 重症薬疹

  • 好酸球性食道炎

  • 好酸球性胃腸炎

  • アレルギー性結膜炎

  • アトピー性角結膜炎

  • 春季カタル

  • 好酸球性副鼻腔炎

  • 好酸球性中耳炎

  • ANCA関連中耳炎

  • 花粉症

  • 巨大乳頭結膜炎

  • 薬物アレルギー

  • 接触皮膚炎

耳鼻咽喉科


アレルゲン免疫療法から抗体医薬、レーザー焼灼、切除手術まで

アレルギー性鼻炎に対して舌下免疫療法を行っています。鼻づまりが強い場合には、レーザー焼灼術や粘膜切除術、抗体医薬の投与など検討します。

難治性といわれている、好酸球性副鼻腔炎や好酸球性中耳炎に対しても喘息に伴いやすい疾患であることから、呼吸器内科とともに診療にあたっています。

必要に応じて手術を行い、嗅覚改善、聴力の改善をめざしています。

呼吸器内科


テーラーメイドの喘息治療と総合アレルギー診療

重症喘息に対する積極的な抗体医薬導入を行っており、劇的な効果が得られている患者さんも数多くいらっしゃいます。

喘息などの呼吸器アレルギー疾患の他、成人食物アレルギーや口腔アレルギー症候群の方、皮下注射によるアレルゲン免疫療法(ダニ、スギ花粉)を希望・検討される方のご相談も受け付けております。

皮膚科


難治性皮膚アレルギー疾患に対する包括的ケア

アトピー性皮膚炎に対する抗体医薬治療により症状や治療満足度が向上する患者さんも多いです。

重症薬疹や蕁麻疹などに対する丁寧な診断と治療方針決定を行っています。

消化器内科


「飲み込みにくい」という症状、実はアレルギーかもしれません

総じて好酸球性消化管疾患と呼ばれる好酸球性食道炎、好酸球性胃腸症という疾患が近年、注目されています。
これまで逆流性食道炎や過敏性腸症候群と診断されていた症例の中にこれらアレルギーが関与する疾患が含まれている可能性があります。

適切な診断と治療の提供を心がけています。

眼科


複雑なアレルギー眼疾患をカバーする多様な治療選択肢

季節性および通年性アレルギー性結膜炎といった非増殖性疾患と、春季カタルや増殖性アトピー性角結膜炎といった増殖性疾患があり、後者は難治性の角膜潰瘍を併発することもあります。

季節性アレルギー性結膜炎(花粉症)に対してはセルフケアの指導と初期療法が効果的です。

増殖性疾患に対しては、免疫抑制剤点眼薬による寛解導入とその後のプロアクティブな治療により、良好な結果を得ています。
さらに、免疫抑制剤点眼薬に対して治療抵抗性の症例については、ステロイド内服や結膜増殖組織切除術などを行っています。

小児科


包括的視点をもってアレルギーマーチを食い止める

アレルギー専門医4名(非常勤医師含む)が、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎などの小児期のアレルギー疾患を包括的に診療します。

日本小児臨床アレルギー学会認定小児アレルギーエデュケーター1名が在籍しており、アトピー性皮膚炎に対するスキンケア指導や食物アレルギーにおける食事指導等を診療と並行して行っています。

(医療機関の皆様へ)紹介手順について


紹介状宛先に各専門科に加えて「アレルギーセンター」と併記ください。
例) 成人喘息が主たる疾患であり、併存疾患として花粉症がある場合は
「慶應義塾大学病院 呼吸器内科(アレルギーセンター) 宛」にご紹介下さい

受診について

  • 当院では患者さんの待ち時間を短縮するため、予約制を導入しています。
  • ご予約方法は一般の患者さんと医療関係の方で異なります