概要

当院では、1981年から頭蓋縫合早期癒合症をはじめとする生まれつき頭や顔に変形をもつ患者さんの治療を行ってまいりました。当初は各診療科が独立して診療にあたっていましたが、こうした頭蓋顔面疾患は比較的まれで特殊性の強い病気であるため、その診療には高度な専門性と各診療科の連携が要求されます。そのため欧米諸国ではチーム医療が実践されていますが、本邦では欧米レベルのチーム医療が実践できている施設は非常に少ないのが現状です。
当センターでは小児科、脳神経外科、形成外科を中心とした専門性の高いチームを形成し、生まれつき頭や顔に変形をもつ患者さんに高度なかつ質の高い医療を実践しています。

特色・方針・目標

生まれつき頭や顔に病気を持つ患者さんの治療は、特に専門的な医療が必要となるため世界的にみても限られた施設でしか行われておりません。当センターでは各分野のスペシャリストがチームとなり、日々の診察・治療にあたっています。また治療を受けるお子さんだけでなく、ご家族のストレスも大きいものとなるため、その心情に配慮し安心・安全に手術が受けられる環境作りを行っております。治療後も患者さんの成長(からだもこころも)を長期にわたり、きちんと見守る必要があります。当センターでは、大学病院という特性をいかし、小児期を過ぎ、成人になったあとでも一貫した医療を提供します。そして将来、同じ病気をもって生まれてくる子たちにも絶えることなく同じ医療を提供していくために、次世代の医療従事者の育成に貢献します。

対象疾患は次のようになっております

主な実績

名称 件数 備考
頭蓋縫合早期癒合症(頭蓋形成) 35 2022年度
頭蓋縫合早期癒合症(中顔面手術等) 13 2022年度
小児脳腫瘍 17 2022年度
生まれつきの顔の病気(口唇口蓋裂以外) 21 2022年度
小児水頭症 9 2022年度

ご挨拶

このたび、慶應義塾大学病院に新たに小児頭蓋顔面(クラニオ)センターを立ち上げました。これまで、慶應義塾大学病院では、1981年から頭蓋縫合早期癒合症をはじめとする生まれつき頭や顔に変形をもつ患者さんの治療を行ってまいりました。2013年より組織を一新し、まずチーム医療の核を形成しました。そしてこの核を中心として、各診療科との連携を強くすることで、診療実績を増やしてまいりましたが、病院として診療を提供できる患者数には限界がありました。2018年5月に新病院棟がオープンし、最新の設備とマンパワーの充実から、これまで以上に多くの患者さんに治療を提供できる体制が整ったと判断し、小児頭蓋顔面(クラニオ)センターを設立することとなりました。当センターでは、小児科、脳神経外科、形成外科、眼科、耳鼻咽喉、整形外科、放射線診断科、麻酔科、歯科口腔外科、臨床遺伝センターが集結し、より高度なかつ質の高い医療を患者さんに提供したいと考えています。

小児頭蓋顔面(クラニオ)センター長 貴志 和生

連絡先

より詳しい情報は当部門の専用webサイトをご覧ください。

受診について

  • 当院では患者さんの待ち時間を短縮するため、予約制を導入しています。
  • ご予約方法は一般の患者さんと医療関係の方で異なります