概要
一般・消化器外科では食道、胃、腸、肝、胆、膵などの消化器疾患、乳腺疾患、末梢血管疾患に対する外科治療を中心に行います。

特色・方針・目標
慶應義塾大学医学部一般・消化器外科では、食道、胃、大腸、肝臓、胆道、膵臓、乳腺、血管に対する外科治療を中心に行います。良性疾患から悪性疾患まで一般・消化器外科領域全ての疾患に対応しています。腹腔鏡や胸腔鏡を用いた低侵襲治療やセンチネルナビゲーションサージャリーなどの先進技術を用いた治療を積極的に取り入れています。同じ教室内にそれぞれの臓器のスペシャリストがいるため、多臓器に関わる疾患に対しても疾患ごとにチームを組んで患者様に合わせた偏りのないオールラウンドな対応が可能な組織であることが特徴です。
対象疾患は次のようになっております
- 食道がん
- 閉塞性動脈硬化症
- 逆流性食道炎
- 膵臓腫瘍
- 膵癌
- 腹部大動脈瘤
- 胆道癌(肝外胆管癌、胆嚢癌)
- 胆石症、総胆管結石
- 胃潰瘍と十二指腸潰瘍
- 胃がん
- 肝臓癌(肝細胞癌、胆管細胞癌)
- 肝移植
- 肝硬変
- 炎症性腸疾患
- 成人の鼠径部ヘルニア
- 大腸がん
- 乳がん
- 下肢静脈瘤
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E. 乳線疾患(乳癌、乳腺症(嚢胞症を含む)、繊維腺腫、乳管内乳頭腫、男子乳癌、女性乳房症など)
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F. 末梢血管疾患(腹部大動脈瘤、頸動脈狭窄症、下肢閉塞性動脈硬化症、上肢閉塞性動脈硬化症、四肢ビュルガー氏病、レイノー病、静脈血栓症、下肢静脈瘤、リンパ浮腫など)
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B. 胃疾患(胃癌、胃悪性リンパ腫、胃GIST、その他の胃粘膜下腫瘍、難治性の胃・十二指腸潰瘍など)
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C. 腸疾患(大腸癌(結腸、直腸、肛門の癌)、大腸ポリープ、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)、肛門疾患(痔核、痔瘻、裂肛)、肛門機能不全(便失禁)、直腸脱など)
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D. 肝・胆道・膵臓疾患(慢性肝炎、肝硬変、肝内結石症、肝臓癌、胆管細胞癌、転移性肝癌、胆嚢・胆管・十二指腸乳頭疾患胆石症、胆嚢炎、胆管炎、胆管拡張症(胆管嚢腫)、原発性硬化性胆管炎、膵胆管合流異常症、胆管癌、胆嚢癌、急性膵炎、慢性膵炎、膵石症、膵嚢胞症、輪状膵、膵癌、膵内分泌腫瘍など)
次のような症状を扱っております
A. 食道疾患
食物がつかえる。食事をすると胸に違和感がある。胸に痛みがある(胸痛)。胸焼けする。嘔吐しやすい。食事をするとむせる。吐血した。健康診断で食道の精査ないし手術を勧められた。など
B. 胃疾患
胃がもたれる。みぞおちが痛い。食事がつかえる。食欲が低下した。吐き気がする。胃が重い。大便の色が黒い。吐血した。体重が減ってきた。売薬を飲んでいても症状が改善しない。健康診断で胃の精査ないし手術を勧められた。など
C. 腸疾患
健康診断で便潜血、貧血があると言われた。肛門出血や便のまわりに血がついている。おなかにしこりがある。便秘、下痢または便秘と下痢を繰り返す。便が漏れる。おなかが痛い。など
D. 肝・胆・膵疾患
顔色が黄色くなった(黄疸)、腹水、易疲労感などの肝不全症状。右季肋部痛・心窩部痛を繰り返す。脂肪摂取後の腹痛。身体がだるい。最近数カ月で体重が減少している。慢性的に下痢が続く。など
E. 乳線疾患
乳腺にしこりを感じる。乳頭から血液あるいは黄色の分泌物に気付く。乳頭の表面のかゆみ、湿疹様のものに気付く。乳頭あるいは皮膚がくぼんだりしている。など
F. 末梢血管疾患
意識をふっと失うことがある。寝ると腹部に拍動するこぶが触れる。足が冷たい。歩くとふくらはぎが痛くなり休む。手がしびれる。右手と左手で血圧に差がある。めまいがする。四肢が痛い。手足が紫色だったり、指に潰瘍がある。冷たい水や風に当たると、指が白くなる。四肢が緊満して腫れている。下肢に蛇行する静脈のこぶがある。四肢が腫れて、押すとへこむ。
主な実績
一般・消化器外科では、食道、胃、大腸、肝、
胆道、膵臓、乳腺、血管の様々な疾患の診断・治療および基礎・臨床研究を行っています。
慶應義塾大学医学部一般・消化器外科における2022年度の診療実績は以下の通りとなっております。
詳細については当科ホームページをご覧ください。
http://www.keiosurg.net

名称 | 件数 | 備考 |
---|---|---|
食道がん | 56 | 2024年度実績 |
胃がん | 68 | 2024年度実績 |
大腸がん | 147 | 2024年度実績 |
乳がん | 375 | 2024年度実績 |
腹部大動脈瘤 | 28 | 2024年度実績 |
末梢動脈疾患 | 116 | 2024年度実績 |
肝胆膵高難度手術 | 146 | 2024年度実績 |
肝移植 | 14 | 2024年度実績 |
ご挨拶
私たち、一般・消化器外科では、食道、胃、大腸、肝、胆道、膵臓、乳腺、血管領域の様々な疾患の診断・治療および基礎・臨床研究を行っています。それぞれの臓器•領域において世界レベルに劣らない医療を皆様に提供するために、様々な工夫をしながら取り組んでいます。私たちが1990年代より取り組んできた先進技術を導入した低侵襲がん治療から、ほかのどの施設でも対応できない多臓器、血管に及ぶ治療困難高度進行悪性腫瘍に対する治療まで、一般・消化器外科領域の全ての疾患に対し、それぞれの領域のスペシャリストがチームを組んで質の高い医療を提供しています。

受診について
- 当院では患者さんの待ち時間を短縮するため、予約制を導入しています。
- ご予約方法は一般の患者さんと医療関係の方で異なります