概要

血液内科では、健康診断で指摘された白血球・赤血球・血小板数の異常値や異常細胞の出現、リンパ節の腫脹、血液凝固の異常などから血液疾患が疑われた方だけでなく、かかりつけの医療機関で血液疾患(鉄欠乏性貧血、特発性血小板減少性紫斑病などの良性疾患や、白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの造血器腫瘍)と診断された方を対象として幅広く診療を行っています。

特色・方針・目標

血液内科で扱う疾患の大多数は、いわゆる難病や造血器腫瘍であり、その診断・治療には専門的な知識と経験が必要とされます。当科は、日本血液学会認定血液専門医10名を含む20名の医師が在籍する日本血液学会認定血液研修施設ならびに日本骨髄バンク非血縁者間骨髄・末梢血幹細胞移植採取認定病院であり、毎日の血液専門外来のほか、常時40〜50名の入院患者さんの診療を行っており、十分な経験と実績のある施設です。
当科では多様化する造血器腫瘍や難治性血液疾患に柔軟に対応し、分子標的薬剤、さまざまな造血幹細胞ソースを用いた造血幹細胞移植を積極的に取り入れ、正確な診断とエビデンスに基づく治療を検討し、患者さんやご家族のご希望を尊重しつつ、それぞれの患者さんに適切な治療法を選択することを心がけています。
また、血液疾患の治療にあたっては、全身のさまざまな臓器に合併症を認めることが多々ありますが、各科との良好なチームワークにより質の高い診療を提供できることも当院の特徴と言えます。

次のような症状を扱っております

白血球が多い・少ない、赤血球が多い・少ない、血小板が多い・少ない、リンパ節の腫大、脾臓の腫大、出血しやすい、血が止まりにくい、連日著明な寝汗をかく、造血幹細胞移植が必要と言われた

検査内容のご案内

  • 骨髄検査
  • HLAタイピング

  • リンパ節生検

  • CT・エコーガイド下生検

主な実績

当科では、造血器悪性腫瘍に対する化学療法はもちろんのこと、適応症例には造血幹細胞移植を積極的に行っています。特に1984年から開始した同種造血幹細胞移植は、累計で800件を超えており、良好な治療成績をあげています。近年は難治性造血器疾患に対する新規治療法であるCAR-T療法にも力を入れております。
また、当科では血液疾患もしくはその疑いのある方について幅広くご紹介を受けつけており、1年間にご紹介いただく初診患者さんはおよそ400名にのぼります。

名称 件数 備考
同種造血幹細胞移植 40件 2023年
同種造血幹細胞移植 936件 累計
自家造血幹細胞移植 23件 2023年
自家造血幹細胞移植 608件 累計
CAR-T療法 43件 2023年
入院化学療法 1927件/年
外来化学療法 3682件/年 経口抗がん薬処方を含む

ご挨拶

私たちの血液内科は、患者さんの利益を第一に考える医療を行って参りました。
この血液内科のよき伝統、特に患者さん・ご家族に、"慶應に来て良かった"と言っていただける診療科で在りたい、という信念を守りつつ、診療・研究の両面をさらに発展させることを目指して参ります。
血液内科は、抗体医薬や分子標的薬、さらにCAR-T細胞療法等の幅広い新規治療法が開発されている分野であり、診療エビデンスの更新が絶え間なく行われています。
このような新しいエビデンスを導入しつつ、その実現に必要なゲノム医療の導入などを行いたいと思います。

連絡先

より詳しい情報は当部門の専用webサイトをご覧ください。

受診について

  • 当院では患者さんの待ち時間を短縮するため、予約制を導入しています。
  • ご予約方法は一般の患者さんと医療関係の方で異なります