概要

慶應義塾大学病院母斑症センターは、結節性硬化症や神経線維腫症1型などの母斑症(神経皮膚症候群)の患者さんに、小児科、皮膚科、形成外科、整形外科、泌尿器科、脳神経外科、小児外科、呼吸器内科、神経内科、精神・神経科、眼科、乳腺外科、産科、臨床遺伝学センター等が集結し、母斑症センターという一機能単位として、より高度なかつ質の高い診療を提供するための診療組織です。
また、慶應義塾大学病院母斑症センターは、関連診療科が密に連携した高度な医療を提供することにとどまらず、母斑症の新しい治療法の開発、母斑症の診療と研究に精通した次世代の医療従事者育成に寄与することを目指します。

特色・方針・目標

1)円滑な各科連携に基づく集学的かつ高度な母斑症診療の提供

母斑症は、体の全部あるいは、一部に、遺伝子変異が生じることにより、皮膚に加えて臓器(内臓)にも症状を起こす生まれつきの体質(先天性疾患)です。母斑症の一部には腫瘍を生じるものがありますが、その多くは、良性腫瘍です。症状のある部分の治療により、患者さんの生活の質の向上が期待されます。
母斑症を持つ患者さんは、症状によって複数の診療科にかかる必要が出てきます。その際には、当該科の専門医師が他の診療科と密に連携しながら外来および入院診療を担当いたします。

2)臨床・基礎研究への展開

慶應義塾大学病院母斑症センターは、母斑症の臨床・基礎研究を推進し、新しい治療法の開発に寄与することを目指します。

3)次世代の医療従事者の育成

慶應義塾大学病院母斑症センターは、診療や、研究を通じて、母斑症の診療や研究に精通した次世代の医療従事者の育成に貢献します。

次のような症状を扱っております

神経線維腫症Ⅰ型(レックリングハウゼン病)
結節性硬化症
ヌーナン症候群
スタージ・ウェーバー症候群
クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群
巨大色素性母斑
乳児血管腫(イチゴ状血管腫)
乳幼児肝巨大血管腫(カサバッハメリット症候群)
オスラー病(遺伝性毛細血管拡張症)
リンパ管腫症

他、小児期発症の成人母斑症も対象となります。

受診を希望される患者さんは、紹介状をお持ちいただき、受診予約をお願い致します。
あらかじめ受診する診療科・担当医が決まっている場合には、そちらを直接受診してください。
特に決まっていない方は、以下を参考に受診してください。
まだ母斑症かどうかわからない方は、小児(15歳以下)は小児科を、成人の方は皮膚科あるいは形成外科をまず受診してください。必要に応じて、専門医、関連診療科に紹介いたします。

主な実績

結節性硬化症
神経線維腫症1型
Sturge-Weber症候群
Klippel-Trenaunay-Weber症候群
Noonan症候群
CFC症候群
Costello症候群
Legius症候群
LEOPARD症候群
Osler病(遺伝性毛細血管拡張症)
巨大色素性母斑症
神経皮膚黒色症
PIK3CA-related overgrowth spectrum
Gorlin症候群(基底細胞母斑症候群)
乳児血管腫(イチゴ状血管腫)
色素失調症
Pallister-Killian症候群(12番染色体短腕テトラソミーモザイク)
Goltz症候群
伊藤白斑
Waardenberg症候群
リンパ管腫

臨床研究のご案内


慶應義塾大学病院母斑症センターは、高度な診療を提供するにとどまらず、大学病院の有する研究開発機能を最大限に活用し、母斑症の診断、治療についての研究を推進します。今後の新しい診断、治療法の開発のために、患者さんのご理解、御協力をよろしくお願い申し上げます。

受診について

  • 当院では患者さんの待ち時間を短縮するため、予約制を導入しています。
  • ご予約方法は一般の患者さんと医療関係の方で異なります