概要

オリゴ転移とは、少数個のがんの転移が存在する状態をいいます。個数については明確に定まっていませんが、おおよそ5個以内です。多 くの場合、転移を持ったがん患者さんに対する標準治療は全身療法となっています。
今日、その全身療法の進歩により 画像検査では検出できないほどの微小な転移を制御できる可能性が高まりつつあります。そのため、画像検査で検出できる大きさのオリゴ転移に局所治療を行うことで、根治に至る可能性、延命につながる可能性が報告されており、オリゴ転移に対する局所治療が注目されています。ただし、オリゴ転移に対する局所治療はすべてのがんで延命につながるとは限りません。当センターでは、当院のがんに関わる各診療科の専門医の知識を集結して、適切な治療法を検討し、提案したいと思います。

特色・方針・目標

慶應義塾大学病院オリゴ転移センターは全国初の試みです。当センターでは、全がん種のオリゴ転移の方を対象として、当院のがんに関わる各診療科の専門医の知識を集結して、適切な治療法を検討し、提案したいと思います。治療法としては、切除、放射線治療、穿刺治療(ラジオ波、マイクロ波 、冷凍凝固療法)、およびそれらを組み合わせた局所治療を検討します。また、抗がん剤治療、ホルモン治療、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などの全身療法についても検討します。希望に応じて がんの遺伝子パネル検査 を行い、効果の期待できる薬剤を探すことも可能です。
 原則として、現在おかかりの病院の主治医の方に継続して診療していただき、その主治医と連携しつつ方針を提案したり、局所治療を行ったりしようと考えています。ここでいう主治医とは、例えば肺がんの患者さんであれば呼吸器内科医、子宮がんであれば婦人科医で、定期的に診療している医師のことです。慶應義塾大学病院の医師に主治医になってもらうことを希望される場合もあるかと思いますが、現在当院では多くの患者さんを抱えております。必ずしもその希望に添えないことがあると思いますが、ご希望の際はご相談ください。ご理解のほどよろしくお願いします。
当センターは、転移を持った患者さん にたいして、標準治療を参照しつつも、個別により良い治療法を提案できるように日々精進し診療しております。

次のような症状を扱っております

すべての種類の悪性腫瘍患者さんのうち、オリゴ転移を有する患者さんを対象としています。

主な実績

2025年3月に開設しました。実績について随時報告いたします。

ご挨拶

従来オリゴ転移については、がん治療に携わるさまざまな診療科が、個別に対応してきました。オリゴ転移に対する局所治療が注目される今日、各診療科の知識と経験を結集して、ガイドラインにて推奨される治療法を参照しつつも、価値観や希望、ライフスタイルなど、さまざまな側面から総合的に判断し、より良い治療法を提供していき、さらに体系的なオリゴ転移治療を目指していきます。
センター長 武田篤也

医療機関の皆様へ


初診患者さんのご紹介について


院外から当センターに紹介される患者さんにおいては、初診はセカンドオピニオン診療とさせていただきます。
がんに関わるさまざまな専門医師が集まり、カンファレンスを行います。そこで個々の患者さんの初診担当として適切と考えられる医師が初診担当医となります。初診の後に必要により検査を行い、さらにカンファレンスを開いて、治療法を検討していきます。

医療連携・紹介 制度について


オリゴ転移センターには、がんを診療する多くの診療科医師が携わっています。原則として、現在の主治医の先生方に主治医を継続していただき、連携して方針をご相談したり、局所治療をご提案したいと考えています。
患者さんが慶應義塾大学病院の医師に主治医になってもらうことを希望される場合もあるかと思いますが、現在当院では多くの患者さんを抱えており、必ずしもその希望に添えないことがあると思いますので、ご理解のほどよろしくお願いします。



※以下に「受診について」の案内がありますが、当センターの初診はセカンドオピニオン診療となります。
セカンドオピニオンの受診についてはこちらのページをご覧ください。

受診について

  • 当院では患者さんの待ち時間を短縮するため、予約制を導入しています。
  • ご予約方法は一般の患者さんと医療関係の方で異なります