概要

当院では肝移植、小腸移植を外科(一般・消化器、小児)、腎移植を泌尿器科が担当し、多数の生体・脳死移植を実施してまいりました。そしてさらに、新しい移植医療として子宮移植を産婦人科が中心となって準備を進めております。
 これら臓器移植の遂行には、あらゆる診療科・部門との円滑な連携が必要不可欠であります。当院での移植医療のさらなる質の向上と効率化を目指し、患者さんにより安全・安心な臓器移植を提供すべく、組織横断的な臓器移植センターを設立いたしました。

(センター長 尾原 秀明)

特色・方針・目標

<肝臓移植>慶應義塾大学臓器移植センターでは、子どもから大人まで肝臓移植が必要な患者さんに最新治療を包括的に提供する体制を整えております。
<小腸移植>生体小腸移植と脳死小腸移植を実施可能な日本でも数少ない施設の一つであり、腸管機能リハビリセンターと相互に腸管不全患者さんに包括的な治療を提供いたします。
<腎移植>透析導入前に行う先行的腎移植やABO血液型不適合腎移植も積極的に行っております。ドナーの腎採取手術は低侵襲な腹腔鏡下手術で施行します。移植後は、腎移植専門外来にて泌尿器科医、内科医、移植コーディネーターがフォローアップします。

次のような症状を扱っております

肝臓移植:肝硬変,肝不全,胆道閉鎖症
腎臓移植:慢性腎不全
小腸移植:短腸症候群,ヒルシュスプルング病とその類縁疾患
子宮移植:ロキタンスキー症候群

主な実績

<肝臓移植>これまで360例以上の生体・脳死肝臓移植を行なっており、慶應義塾大学病院での成人肝移植では5年生存率83.1%(全国平均74.4%), 小児肝移植では5年生存率は92.4%(全国平均87.7%)と良好な成績です。
<小腸移植>4例の生体小腸移植と2例の脳死小腸移植、海外や他院で小腸移植を受けられた方のフォローも行っております。移植された小腸の機能は83.3%の方で維持されており、患者生存率は100%です。
<腎移植>当院で施行した最近過去10年間の腎移植の5年生着率は93.6%(全国平均生体腎93.1%、献腎87.8%)となっております。

受診について

  • 当院では患者さんの待ち時間を短縮するため、予約制を導入しています。
  • ご予約方法は一般の患者さんと医療関係の方で異なります