概要
2022年10月に発足いたしましたパーキンソン病患者さんを専門に診療するセンターです。
パーキンソン病は高齢になるほど発病率が増加します。そのため、人口高齢化が進む中で、パーキンソン病患者さんは急増しており、その爆発的に増えている様子からParkinson pandemicなどという造語も用いられるほどです。日本でも患者数が急増しており、65歳以上では100人に1人の頻度であることが分かっています。もはや高齢者にとってはよくある病気といっても過言ではないパーキンソン病に対して適切な医療を提供し、患者さん、ご家族の生活の質(QOL)向上を目指すのは社会的にも大きな課題であると考えます。パーキンソン病患者さんに対する適切な医療は一つの診療科、また、医師のみの力では実現できず、近年、多職種連携チーム医療の必要性が非常に高まっています。その背景には運動症状のみならず非運動症状を含めた多彩な症状の包括的把握と対応の必要性、デバイス補助療法(脳深部刺激療法、レボドパカルビドパ配合経腸用液療法)を含めた治療の複雑化、多彩な課題を抱える高齢パーキンソン病患者さんに対する全人的ケア・医療の提供の必要性といったことがあります。当センターでは複数の診療科、多くの医療職種が連携してパーキンソン病患者さんの診療にあたります。
特色・方針・目標
本センターの目的(理念)はパーキンソン病に対するチーム医療を推進し、安心・安全に適切かつ先端的な医療を提供し、多職種でパーキンソン病患者さんの健康を支えることです。
本センターの一番の特色はパーキンソン病患者さん、ご家族様の健康を支えるために非常に多くの診療科、医療職種がチームメンバーとなっている点です。具体的には様々な診療科の医師(神経内科、脳神経外科、リハビリテーション科、精神・神経科、内視鏡センター)に加え、看護師、薬剤師、リハビリスタッフ、臨床心理士、管理栄養士、メディカルソーシャルワーカーといった職種の方がメンバーとなっています。各々の専門知識と技術を活用しながら、チーム内で目標・情報を共有し、互いに連携しながら外来および入院で診療にあたります。脳深部刺激療法、レボドパカルビドパ配合経腸用液療法などのデバイス補助療法を行う際は適応評価から術後管理までチームで取り組んでまいります。

対象疾患は次のようになっております
次のような症状を扱っております
パーキンソン病にみられる代表的な運動症状は、運動緩慢、振戦、筋強剛です。そのほかにも精神症状、自律神経障害(便秘)、感覚障害、睡眠障害などの非運動症状がみられます。しかし、これらの症候がすべての患者さんでみられるわけではありません。
運動緩慢:動作が遅くなる症状です。普段の何気ない動作、例えば歩くのが遅くなったり、歩幅が小さくなったり(小刻み歩行)、食事動作、着脱衣、寝返りなど日常生活に支障を来すことがあります。
振戦(しんせん):手、足、顎や頚部、体全体などに起こる「ふるえ」のことです。
筋強剛(きんきょうごう):筋強剛とは筋肉の緊張が高まっている状態のことです。診察で患者さんの手足を曲げたり伸ばしたりした時に感じることができます。
検査内容のご案内
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頭部MRI
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MIBG心筋シンチグラフィー
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ドパミントランスポーターシンチグラフィ(DATスキャン)
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嗅覚検査
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神経心理検査
受診について
- 当院では患者さんの待ち時間を短縮するため、予約制を導入しています。
- ご予約方法は一般の患者さんと医療関係の方で異なります