概要

 小児医療の多くの専門領域について各々の専門チームが高度で先進的な医療を提供しております。一方、多様化する周産期・小児疾患に対し、小児科単独では解決できない集学的医療を行うために、周産期・小児医療センターの一員として診療を行っております。出産から新生児・小児医療を担う内科系・外科系関連診療科の全てと連携し、診療科の壁を超えた専門医の密接なチームワークを通じて、患者さんやご家族の立場に立った全人的医療を目指します。

特色・方針・目標

 お子さんを病気や障害を抱えながら家庭や社会とのかかわりの中に生きる、ひとりの人間としてとらえること(全人的な医療)を心がけています。高い水準の医療を提供するにとどまらず、"こころ"も診る小児医療といいかえることができます。
 当科には13の専門チーム(内分泌・代謝遺伝・奇形神経精神保健・思春期新生児心臓小児集中治療)、血液・腫瘍呼吸器感染免疫アレルギー腎臓外来小児科学があり、これらが連携しつつ、お子さんの病気の診断、治療にあたります。また、各専門チームは多くの研究施設とも連携し、大学病院ならではの先進的な研究体制を有しております。これにより、子どもの病気が起こる仕組みや、いままで知られていなかった病気の診断も可能になってきています。
 お子さんの病気に合わせ、小児に関連した全ての診療科・部門とチーム医療を行っております(周産期・小児医療センター)。お子さんの病気によっては成人してからも問題を抱える場合がありますが、内科を中心とした成人医療の専門医とも連携して治療にあたります。これも大学病院ならではのチーム医療体制といえます。

対象疾患は次のようになっております

  • 内分泌・代謝:低身長、高身長、小陰茎、停留精巣、尿道下裂、陰核肥大、陰唇癒合、思春期早発・遅発、原発性無月経、性分化疾患、ターナー症候群、クラインフェルター症候群、性腺機能低下症、下垂体機能低下症、甲状腺機能低下症、橋本病、バセドウ病、副甲状腺機能低下症、先天性副腎過形成症、副腎低形成症、クッシング症候群、アルドステロン症、骨系統疾患、先天性代謝異常、肥満、脂質異常症、糖尿病、高インスリン血症、ヌーナン症候群、プラダー・ウィリ症候群、尿崩症、内分泌腫瘍(甲状腺・副甲状腺・副腎腫瘍など)、くる病など

  • 神経:けいれん・てんかん、発達遅滞、頭痛・神経痛、中枢神経系の感染症、脳血管障害、末梢神経・筋疾患

  • 遺伝:先天異常 ・多発性奇形症候群、奇形に精神発達の遅れを伴う場合

  • 精神保健:神経性食欲不振症、神経症、心身症、境界人格、小児期うつ病・統合失調症

  • 腎臓:学校検尿異常(血尿、蛋白尿)、腎炎、ネフローゼ、腎不全、先天性腎尿路異常、尿路感染症、尿細管疾患、水腎症、嚢胞性疾患、尿細管疾患、高血圧、夜尿症

  • 新生児:早産児、低出生体重児、新生児疾患全般、先天性の疾患

  • 心臓:先天性心疾患、後天性心疾患、不整脈、原発性肺高血圧症、川崎病

  • 血液・腫瘍:白血病、リンパ腫、組織球症、脳腫瘍、神経芽腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、ユーイング肉腫、肝芽腫、腎芽腫、再生不良性貧血、血小板減少性紫斑病、血友病A

  • 血友病B

  • 呼吸:長引く咳・鼻汁、喘息、先天性喘鳴、喉頭軟化症、気管狭窄・軟化症、気管支分岐異常、副鼻腔炎、反復性

  • 慢性気管支炎・肺炎、誤嚥、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、嚢胞性肺疾患、慢性呼吸不全

  • 感染:小児感染症一般、当院での肝移植前後のワクチン接種

  • 外来:夜尿症、便秘症

  • 便失禁、日常的な健康問題(小児感染症一般、花粉症など)、思春期の健康問題、予防接種・育児・成長・発達などさまざまな健康問題の相談

  • アレルギー:食物アレルギー(消化管アレルギーを含む)、アトピー性皮膚炎、気管支ぜん息、アレルギー性鼻炎、花粉症、じんましんなどのアレルギー疾患全般

  • 集中治療:重症疾患(内因性、外因性)、高侵襲手術の術後急性期

次のような症状を扱っております

身長が低い・高すぎる、体重が増えない、肥満、思春期(乳房の発育、陰毛の発育、初潮など)が早く来た・来ない、カルシウムの値が高い・低い、けいれん・失神を起こした、ことばや発達が遅い、落ち着きがない、頭痛、疲れやすい、微熱が続く、顔色が悪い、鼻血が止まりにくい、リンパ節が腫れている、首にしこりがある、おなかにしこりがある、呼吸が苦しそう、咳が続く、ぜーぜー・ヒューヒューする、呼吸したときに変な音がする、肺炎を繰り返す、心臓に雑音があると言われた、脈が不整と言われた、ミルクを吐く、おなかをよく痛がる、お腹が膨らんでいる、ミルクなどの飲みがゆっくり、水分を異常に多く飲む、尿量が多い、発熱があったときに尿にばい菌がでているといわれた、尿路感染症をくりかえしている、手足にしびれや痛みがある、力が入りにくい、青あざができやすい、骨や関節を痛がる、骨折をくりかえす、O脚、食物アレルギーが心配、遺伝の病気があるといわれた、マススクリーニングの判定で受診を勧められた、病気や障害をもつ子どもの育児が心配、痛みが繰り返したり続いたりする、原因がよくわからないまま具合が悪い状態が続く、学校に行けない、どの科にかかればよいのかわからない、食事を食べられない、虐待をうけた、おねしょ、便が出ない、便が漏れる

検査内容のご案内

  • 神経チーム:ビデオ脳波、抗てんかん薬(クロバザム)のテーラーメード治療

  • 内分泌・代謝チーム:非定型的な外性器で生まれた新生児の法律上の性の決定、性分化疾患・副腎疾患に関する遺伝子診断、尿ステロイドプロフィル(副腎皮質・性ホルモンの一括分泌動態評価)、下垂体前葉ホルモン(成長ホルモンを含む)や性腺機能の内分泌負荷試験、全身の骨のレントゲン

  • 遺伝チーム:各種遺伝子検査、原因となる遺伝子が明らかとなっている疾患については、遺伝子検査による確定診断(DNA診断)

  • 腎臓チーム:腎生検、携帯型血圧計を用いた24時間血圧モニタリング

  • 心臓チーム:心エコー検査(出生前診断を含む)、心カテーテル検査(年間200件)、心臓電気生理学的検査、運動負荷試験、身体活動測定、心臓MRI検査

  • 呼吸チーム:喉頭・気管支内視鏡検査

  • アレルギーチーム:食物経口負荷試験、皮膚プリック検査

主な実績

慶應義塾大学医学部小児科HPをご覧下さい
診療実績

ご挨拶

 私たちはすべての子どもたちの健康で幸せな人生のために、周産期・小児医療センターの一員として、全人的な医療を提供します。
 内科の各専門に対応する分野(神経・内分泌代謝・腎臓・心臓・血液腫瘍・呼吸器・感染・免疫アレルギー・精神保健・総合診療)に加え、小児に特有な分野(新生児・思春期医学・臨床遺伝・小児集中治療)の診療を行っています。これらの専門チームが、周産期・小児医療センターに属する他の診療科と密に連携して、お子さんが病気を克服し、社会人として幸せな人生を手に入れることができるよう、つまり成育医療の理念のもと、診療にあたっております。

連絡先

より詳しい情報は当部門の専用webサイトをご覧ください。

受診について

  • 当院では患者さんの待ち時間を短縮するため、予約制を導入しています。
  • ご予約方法は一般の患者さんと医療関係の方で異なります