概要
スポーツ医学総合センターの診療はスポーツ選手や愛好家を対象としたアスリート外来と、一般の方に対する運動療法を目的とした運動療法外来とに分かれています。
アスリート外来ではスポーツ選手や愛好家の怪我や病気に対して、常にスポーツ復帰を念頭に置いた治療を行います。従って、スポーツ活動の中断に伴う体力低下、全身の筋力低下や 心機能や肺機能の低下、さらにはパフォーマンス能力の低下などが生じないように、治療中も様々なトレーニング、栄養指導や併用療法を行います。これによって、 単に怪我や病気を治療するだけでなく、早期のスポーツ復帰を目指したアスリートに特化した治療が可能になります。
運動療法外来では様々な病気に対して、 トレーニングマシンなどを用いた運動療法により、その予防や治療を行います。すなわち生活習慣病といわれるメタボリック症候群、糖尿病、高血圧などの内科疾患、心不全、心筋梗塞などの循環器疾患、 また骨粗鬆症、変形性脊椎症、変形性膝関節症などの運動器疾患、更には小児科領域の疾患などが対象となります。特に運動療法が必要であるにもかかわらず、 膝が痛い、腰が痛いなどの症状のために十分な運動ができない方に対しては、内科的・整形外科的両側面から総合的に診断し、個々人にとってより適切な運動療法を行えるようにします。
今春よりリニューアルした3号館で行うメディカルフィットネス(自由診療)では、生活習慣病で運動療法が必要な方や、どのように運動をすればよいかわからない方に対して、エビデンスにより基づいた総合的な運動や食事の指導を行っております。
特色・方針・目標
スポーツ医学総合センターは、スポーツ選手の傷害の治療を通したスポーツ復帰のサポート(医学がスポーツに貢献する分野)、種々の疾病をもった患者さんの運動療法の充実(スポーツが医学に貢献する分野)という、スポーツと医学の双方向性の貢献を実現する場として、整形外科・内科をはじめとして、多くの診療科が参画する形での外来診療を行っています。そのため、スポーツ・運動の視点から、整形外科、内科といった既存の科の枠組みを超えて、競技スポーツ・生涯(レクリエーショナル)スポーツに多くの人がかかわるための全般的サポートを行うことが可能であり、大きな特徴です。
対象疾患は次のようになっております
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心不全と心筋梗塞
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スポーツにともなう障害全般
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受傷後のリハビリテーション
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メンタルに関するお悩み
次のような症状を扱っております
1) スポーツに伴う怪我や障害
2) スポーツ復帰を目的とする治療が必要な怪我や病気
3) 専門的な運動療法が必要なメタボリック症候群などの内科疾患、心不全、心筋梗塞などの循環器疾患、骨粗鬆症などの運動器疾患、小児科領域の疾患など
検査内容のご案内
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筋力評価
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運動負荷試験
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運動処方の作成
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呼気ガス分析器による最大酸素摂取量の測定
主な実績
・各種スポーツ団体の帯同や、各種スポーツイベントの救急対応を受け持っています。また、スポーツ団体のメディカルチェックや診療を担当しています。
・糖尿病や循環器疾患でご通院・ご入院戴いた患者様に適切な運動療法をご提供しています。以下は2011年からの心肺運動負荷検査(CPX)実施数。

ご挨拶
「スポーツ復帰を目指した治療」、これがスポーツ医学のメインテーマです。スポーツは種目やレベルによって復帰に必要な要素が異なります。一人一人の運動能力や目標に合わせたゴール設定を行ない、治療方針を決めることが大切です。一方、生活習慣病や心不全などに対する運動療法もスポーツ医学の重要なテーマです。ここでも人によって運動能力は異なり、一人一人の運動機能、心肺機能、意欲などを考慮して、個別化した運動療法メニューを組むことが大切です。慶應義塾大学医学部スポーツ医学総合センターは、この「スポーツ医学」を実践する新しい診療科です。スポーツ選手や愛好家はさらに高いレベルへ、これまで余りスポーツに慣れ親しんでいない人は、少しでもスポーツや運動ができるように、様々なアイデアを診療に役立てていきます。
受診について
- 当院では患者さんの待ち時間を短縮するため、予約制を導入しています。
- ご予約方法は一般の患者さんと医療関係の方で異なります