概要
脳卒中(脳の血管障害による急激な新規症状の出現を伴う病気):脳出血、脳梗塞、くも膜下出血 は早期の診断・治療が患者さんの予後に直結する疾患であり、かつ単一の診療科内で診療が完結することがなく、様々な科や部門との連携が何よりも重要となる疾患です。発症直後は救急外来の窓口となる救急科、内科治療・血管内治療・外科手術を担当する神経内科・脳神経外科、画像診断を担当する放射線科との素早い連携が重要となります。また入院をしていただいた後も神経内科・脳神経外科、早期からのリハビリテーションを担当するリハビリテーション科・入院後のせん妄などを担当する精神神経科との緊密な連携が患者さんの予後に非常に重要となります。脳卒中センターはこれらの診療科が素早く緊密に連携し診療を行うことを目的として、2020年7月に設立されました。
特色・方針・目標
当院は一般社団法人日本脳卒中学会により、一次脳卒中センター(Primary Stroke Center)として認定されており、脳梗塞に対する血栓溶解療法(rt-PA)や血栓回収療法(血管内カテーテル治療)、抗血栓薬(血液をサラサラにする薬)や脳保護薬による治療、脳出血やくも膜下出血に対する手術治療・カテーテル治療など、さまざまな脳血管疾患に対する急性期治療を行っています。同時に、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などによる早期リハビリテーションや、看護師・ソーシャルワーカー・地域医療機関への紹介などを円滑に進める体制を整えています。慢性期は、脳卒中の再発予防を目的とした全身の管理のほか、再発予防を目的とした外科的治療(頚動脈内膜剥離術・バイパス手術・クリッピング手術など)、カテーテル治療(頚動脈ステント、コイル塞栓術など)も行っています。
対象疾患は次のようになっております
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脊髄硬膜動静脈瘻・動静脈奇形
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もやもや病
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脳血管炎
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脳硬膜動静脈瘻
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海綿状血管奇形
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脳動脈解離
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脳動静脈奇形
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くも膜下出血
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頸動脈狭窄症
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頭蓋内動脈狭窄症
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未破裂脳動脈瘤
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一過性脳虚血発作
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脳出血
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脳梗塞
検査内容のご案内
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脳血流シンチグラフィ(SPECT)
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脳血管造影
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CT
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MRI
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頸動脈エコー
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経胸壁心エコー
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経食道心エコー
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ホルター心電図
ご挨拶
脳卒中の治療は近年劇的に進化しました。
早期診断と早期治療により後遺症なく回復される方も増えています。治療効果を高めるには「分単位」で診断と治療を早める必要があり、私たちは診療科や部門の垣根を超えてこれに取り組むべく、脳卒中センターを設立いたしました。いつ発症するか予測困難な脳卒中の患者さんを診療すべく、一丸となって日々精進を続けています。
また、仮に後遺症が生じた場合でも良好な機能回復と早期の社会復帰が可能になるよう、あるいはまた次なる脳卒中の再発を未然に防ぐよう、隣接する医学部における研究活動とも連携しながら、大学病院ならではの医療をご提供できるよう鋭意取り組んでおります。
これらを成し遂げるためには、地域の医療機関や救急隊の皆さんとの密な連携が欠かせません。ご指導ご鞭撻を何卒宜しくお願いいたします。
脳卒中センター長 中原仁
受診について
- 当院では患者さんの待ち時間を短縮するため、予約制を導入しています。
- ご予約方法は一般の患者さんと医療関係の方で異なります