こどもの患者への医療行為における親権者の同意について
慶應義塾大学病院
2026年4月1日施行の民法改正により、父母双方が親権者である場合の親権の行使方法が明確化されるとともに、離婚後においても父母双方が親権を有する「共同親権」を選択することが可能となりました。当院では、これに伴い、こどもの患者への医療行為における親権者の同意の取り扱いについて、以下のとおり方針を定めています。
1.基本的な考え方
親権者が父母双方である場合(婚姻中の場合や、離婚後に共同親権を選択した場合)、親権は父母が共同して行使することが原則とされています。当院においては、この原則を尊重しつつ、こどもの患者の安全および円滑な診療を行う観点から、以下のとおり対応します。
2.親権者の同意の取り扱い
(1) 緊急時の対応
こどもの患者の生命または重大な健康被害の回避のために緊急性が高いと医師が判断した場合(例えば、緊急手術等)は、一方の親権者の同意により医療行為を行うことがあります。
(2) 日常的な診療・軽微な処置
こどもの患者に、日常的な検査、投薬、軽微な処置など、心身に重大な影響を与えないと考えられる医療行為を行う場合には、こどもに付き添ってこられた親権者の同意により実施します。
(3) 心身に重大な影響を与える可能性がある医療行為
こどもの患者に、心身に重大な影響を与える可能性がある医療行為(例えば、全身麻酔下での手術等)を行う場合には、原則として父母双方の意見の一致が必要です。ただし、以下の点にご留意ください。
・父母間で意見が分かれていることの申告がない場合、いずれか一方の親権者への説明・同意により、医療行為を実施します。この場合、他方の親権者にも特段の異議がないものとして取り扱わせていただきます。
・父母間で意見が分かれている場合には、双方の同意を確認できない限り、医療行為の実施が困難となる場合があります。したがって、意見が分かれている場合には、必ず当院に申し出るようにお願いします。
・父母間で意見が分かれている場合、相互の連絡や調整は、原則として親権者ご自身で行っていただきます。
・心身に重大な影響を与える可能性がある医療行為であっても、上記 (1) に該当する場合には、一方の親権者の同意により医療行為を実施することがあります。
3.当院から親権者のみなさまへのお願い
親権者が共同親権の場合は、あらかじめこどもの医療に関する意思決定について相互にご相談ください。患者さんの安全と医療の円滑な提供のため、ご協力をお願いします。
4.その他
本方針の内容は、法令の改正や社会状況に応じて変更されることがあります。ご不明な点がございましたら、担当医または総合相談窓口(2号館1階1R)までお問い合わせください。